00 しんかい6500
 
2013年6月22日は、深海好きにとって革命的な一日でした。
世界で初めて、有人深海調査の映像をインターネットで生中継
地球の“裏側”カリブ海の水深5000mでの興奮を、
多くの人が研究者と一緒に、リアルタイムで共有しました。
 
 
 

深海での興奮を30万人が共有!

生中継されたのは、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の有人潜水調査船「しんかい6500」の航海。インターネットサイト「ニコニコ動画」で配信されました。中継時間は、22日午後8時半から翌朝の23日午前8時過ぎまで。深夜をまたぐ中継にもかかわらず、30万人もの人が中継を見守りました!
 
しんかい6500に乗れる人数は3人のみ。のぞき窓から見える深海の神秘的な風景は、限られた人しか見られません。その風景が地球の反対側の日本で、しかもベットの上で寝っころがりながら、研究者と同時に見られるなんて!すごい時代になったもんですね。
 
 
 

いよいよ深海へ。変化する海の「青」

最初の見所は、太陽の光が射し込む海の青色深くなるにつれて青が濃くなります。1秒に1mほどの速さで潜っていくので、数分で光が届かない暗闇の世界に変化します。
 
01 blue
 
 
 

 海底にそびえる「煙突」には何が!

潜り始めて約2時間後、水深5000mの海底に到着しました!底が見えるだけでも大興奮です。
 
02 海底
 
しばらく進むと、マグマで温められた海水が噴き出る「熱水噴出孔」が目の前に現れました。JAMSTEC研究者の高井研さんの声が、船内に響きます。
 
「これがブラックスモーカーや!」
 
03 熱水噴出孔1
 
熱水噴出孔は、煙突のように岩石が伸びています。中でも黒い煙のようにもくもくと熱水を吹き出すものは、ブラックスモーカーと呼ばれています。あれ?でもなぜか色が白いですね。もっと近づいてみましょう。
 
04 エビ拡大
 
あ!エビです!ものすごい数の白いエビが群がっています!うじゃうじゃいます!すかさず吸い込んで捕獲。地上に持ち帰ります。
 
05 エビ吸い込む
 
 
 

生中継の魅力は、一緒に冒険できること

 
06 弁当タイム
 
今回のブログでは、航海のハイライトだけを抜き出しました。しかし、生中継の魅力は、最高の瞬間を迎えるまでの過程や研究者の息づかいを、包み隠さず一緒に体感できることだと思います。 上の写真は、船内でのお弁当タイムの一コマ。 研究者と一緒に船に乗り込み、一緒に深海を冒険しているような、そんな気分にさせてくれます。生中継はこのサイト〈http://live.nicovideo.jp/watch/lv139636921〉で配信しています。ぜひ見てみてください!(福田大展)