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*肥料の効果的な使い方や土壌を改良するための試験研究をしています

全国にいる農家さんの作物の生産性を上げることを目標に、
肥料の効果的な使い方や土壌改良の試験研究をしています。
米やトマトなどいろいろな作物を栽培しながら、
最適な肥料の種類や量、まく方法など、
肥料の効果を高めるためにはどのような土壌の状態にしておけばいいか。
さまざまな条件で栽培し、データを収集・解析していきます。
自然相手の部分もあるので大変なこともありますが、
土壌の状態がよくないと、
どんなにいい肥料を与えても意味がないので、
肥料と土壌は切ってもきれない関係です。
また、新たな肥料の開発業務を担当することもあります。
海外から新たな肥料原料を輸入して評価したり、
国内の未利用資源を探して肥料にできるかどうかの調査もしています。

*マイナーな分野故の面白さ

もともと山に囲まれた自然豊かな環境で育ちました。
その一方で世界では環境破壊が進んでいることを知り、環境に興味を持ちました。
その後、環境問題にかかわることのできる大学に進み、土壌の研究に出合いました。
マイナーだけど面白そうだったし、
メジャーな分野だと自分の研究が埋もれてしまうと思ったので、
研究に取り組みました。

*自分の知識を生かせる大切な場所です

大学では、モンゴルの草原土壌の研究にかかわり、
羊や牛、ヤギの放牧によって進む草原劣化を食い止めるための管理に関する調査を行っていました。
3週間ほどモンゴルに滞在して1m四方、深さ1mの穴を掘って土壌の調査をするのです。
掘っていくと地表面とは色も硬さも質感も違う層が出てきて、
その土地の気候や成り立ちが垣間見えるところが面白いところでした。
土壌学の魅力にハマった私にとって、今の仕事はその知識を生かせる大切な場所です。
将来は農家の方と直接やり取りをして、
今の職場で深めた知識や技術を現場に普及させていきたいです。
(文=十倉和美 写真=嶋田礼奈)