こんにちは! お茶大リケジョ部のかすみです。

先日、ついに2025年に開催される日本万国博覧会のロゴマークの最優秀作品が決定・発表され、かなり話題になりましたね!

いのち輝く未来のデザイン」をテーマにした万博ということで、選ばれたロゴマークは細胞が意識されているそうです。

初めて見たとき、私は「目がいっぱいあるキャラクターだ!」と思いましたが、確かに言われてみれば細胞っぽいような気も……(笑)。

そんな「大阪万博」「細胞」というキーワードから思い出したちょっとした話があるので、今日はそのお話に出てくるキーワードである「ボロノイ図」を記事にしたいと思います。

「ボロノイ図」、知っていますか?

皆さん、「ボロノイ図」という言葉を聞いたことがありますか?

ボロノイ図」というのはこんな感じの図なのですが……。

(パソコンの不調で描画ソフトが動かなかったため、学部時代に描画ソフトを用いて作成したものを印刷し、私が斜めから撮影したものになっています。実際どんなものなのか気になる人は、検索してみてね!)

 

 

見たことあるような、ないような……そんな気がしませんか?

ちなみに、私が初めて見たときは「石畳っぽい!」と思いました。

友人は「細胞っぽいね〜」と言っていたり、「亀の甲羅に似てる!」と言っていたり。

感想は人それぞれですが、なんとなく、自然がイメージされやすい気がします。

 

実はこのボロノイ図、私が学んでいる建築や都市計画の分野で結構使われています

なんと先ほど話題に上がった大阪万博でも!

具体的にどこに使われているかというと……パビリオンの屋根や水辺の桟橋、緑地帯の通路などです。

公式サイトのCG画像を見れば、「あ! ボロノイ図!」となること間違いなし!

ボロノイ図を描いてみよう!

さて、そんなボロノイ図ですが、図が示しているのはいったいどういうことなのでしょうか。

調べてみると、ボロノイ図とは「平面上に、いくつかの点が配置されている。このとき、その平面内の点を、どの点に最も近いかによって分割してできる図」のことを指します。

なんとなく分かるけど、しっくりこないかもしれませんね。

 

わかりやすくなるかどうかは分かりませんが、私がボロノイ図を描きながら説明してみることにします。

ここに何もない平面があります。

ただのコピー用紙です。

 

 

いくつか、適当に点を描いてみます。

点が多すぎると地獄のような作業になってしまうので、控えめに……。

 

 

黒い7個の点を打ってみました。

これで「平面上に、いくつか(7個)の点が配置されている」状態になりました。

ではその次の「このときその平面内の点を、どの点に最も近いか……」の「平面内の点」とはどの点のことか?

それは、平面内に無数に存在すると仮定したときの、さっき打った黒い7個の点以外の点だと考えられます!

伝わりますか……?

コピー用紙に無限にある点が、例えばこの2つのうちどちらの点に近いかを考えてみましょう。

どういう風に考えればよいでしょうか?

 

 

そう、垂直二等分線を引けばわかりますね!

数年ぶりに使うことになったコンパスを取り出して……。

 

 

紙の端から端までは引いていませんが、この線分の左側にある無数の点は左側の黒い点に近く、線分の右側にある無数の点は右側の黒い点に近いということになります。

さて、ではこれを全ての点についてやってみましょう。

 

 

中心にある点とその他の点の二等分線をとにかく引くことができました。

交点を繋ぎます。

今回は、見やすいように赤くしています。

 

 

この赤く囲まれた内側にある無数の点たちにとって、真ん中の黒い点が他の黒い点よりも近くにある黒い点となります。

これが、「その平面内の点を、どの点に最も近いかによって分割してできる図」という意味なのですが、少しはわかりやすくなりましたでしょうか……?

残りの二等分線も引くと、最終的に下のようなボロノイ図が完成します。

(ちょっとずれてしまって線が二重になっているところがあります。)

 

 

私が描画ソフトで作ったものっぽくなってますね。

成功です!

どんな風に利用されてるの?

これでボロノイ図がどういうものか、少しわかっていただけましたでしょうか?

では最後に少しだけ、建築や都市計画の分野ではこのボロノイ図がどのように利用されているのかについてお話ししたいと思います。

例えば小学校の学区について。

学区割をするときに、近隣との学校との距離を計算して、通学距離があまりにも長すぎるということが発生しないようにエリア分けする際に使われているようです。

その他にも、例えばコンビニの新店舗を開店する際に、どこに出店すればより多くの集客を見込めるか、ということにも利用できそうですね。

先ほど私がボロノイ図を描いた際に当てはめてみると、コンビニの店舗が黒い点、住民やその地域で働く人々が無数の点となります。

手書きでは難しいですが、パソコンを使えばどこに設置すればより多くの点を得ることができるかがわかるはずですから、その値が最大値になるあたりに出店すればより多くの集客を見込めるのではないでしょうか。

……どうでしょうか。

 

設計や計画の段階での利用という分けではありませんが、最も近いコンビニや駅を探したいときにも、利用することができますね。

自分のいる点から、周囲のコンビニや駅(先ほど描いた場合であれば、黒い点)のうち最も近いものが見つけられるというわけです。

ネットで調べてみると、画像を読み込んでボロノイ図を合成できるようなサイトもありましたので、興味のある人は地図などで試してみると面白い発見があるかもしれませんね!