最近気になることが……

こんにちは! お茶大リケジョ部のかすみです。

突然ですが、最近とても気になっている現象があるので今日はそれに関する記事を書いてみたいと思います。

 

どういう現象が気になっているのかを説明するにあたり、その原因に遭遇した場所の図を簡単に書いてみました。

(建築を勉強している学生とは思えないようなびっくりな図かもしれませんが、ご了承ください……。)

場所は、お茶の水女子大学敷地内の、私が所属する研究室が入っている建物の6階です。

図のように廊下を挟んで両側に研究室が並んでいて、図で言うと右上に階段とエレベーター(EV)、図に書き忘れていますが左下にもう一つの階段があります。

廊下の両端には窓があり(図で黄色く塗られている部分)、私はその右側の窓でとある現象に気がつきました。

さて、それではその気になる現象とはどういうものだったのかを説明していきたいと思います。

 

離れれば大きく、近づけば小さく⁉︎

その現象に気づいたのは、9月22日(日)の夕方のことでした(とくに季節や時間は関係ありません)。

卒論の中間発表が近づいてきているのに全然研究が進んでおらず、日曜日であるにも関わらず朝から一人で模型作りに励んでいた私は、研究室からトイレへと向かう途中で窓から見える景色が少しおかしいことに気がついたのです。

これは、研究室を出てすぐのところから窓の外の様子を撮った写真です。

向かいの建物の外壁が窓いっぱいに見えています。

自分がいる建物から向かいの建物までは結構距離があるはずなのに、ずいぶん近くにあるように見えるな……。

そう思って近づいていくと……

あれれ? おかしいな?

なんと、近づけば近づくほど向かいの建物が離れていくではありませんか!

普通は、遠くにあるものに近づいていけば、だんだん対象物が大きく見えてくるはずなのに……これはおかしい。

目の錯覚か⁉ということで、何度か窓の外を見ながら遠ざかったり近づいたりしてみるも、結果は同じ。

近づけば近づくほど、向かいの建物はだんだん小さくなっていくのです。

これはおかしい……何かカラクリがあるはずだ!

 

もしかして、凸レンズのアレ?

まずはじめに疑ったのは、窓ガラス。

遠い昔の記憶に、凸レンズの問題の記憶がうっすらと……凸レンズ(ここでは窓ガラス)の焦点距離よりも短いところに物体(ここでは向かいの建物)があれば、レンズ越しに虚像が実際の物体よりも大きく見えるのでは……?

懐かしい図ですね(しみじみ)。

窓ガラスが凸レンズの役割を果たしていないとしても、窓ガラスが関係しているのであれば、窓を開ければ開けた分だけ実際の大きさで見えるはず!

窓ガラスがあるところとないところで、ずれて見えるはず!

それではいざ、窓を開けてみます!

右側が窓を開けている方、左側が窓ガラスがある方です。

若干窓ガラスがある方が暗く見えるだけで、サイズには何の変化もありません。

えー! そんなー!

どうやらこの近づけば離れていくように見える現象は、窓ガラスのせいではないようです。

それでは、一体何が原因なんだ?

 

錯視かも?

ところでみなさんは”錯視”をご存知でしょうか。

”錯視”とは”目の錯覚”のことで、錯視を利用した画像が面白画像としてSNSなどで出回っているのをよく見かける気がします。

今回の現象ももしかしたら錯視なのかも……?ということで、錯視について調べていると、関係がありそうな現象を発見しました。

それが”大きさの恒常性”です。(実際に”大きさの恒常性”について調べてみると私が考えていたこととは違いましたが、名前からヒントをもらった現象です。)

この”大きさの恒常性”というのは、対象との距離が変わってもその大きさが同じに見える現象のことで、例えば車が自分のそばから離れていって小さく見えても、それがミニカーのようには見えないというようなことのようです。

私はその”大きさの恒常性”という言葉を見て、窓から見えている向かいの建物の大きさは変わっていないが、離れていると窓枠が小さく見えるために向かいの建物の一部しか窓枠から切り取られず、その結果向かいの建物(黄色)が大きく見えて感じる、

近づくと窓枠が大きく見えるために向かいの建物の全体が窓枠から切り取られて、その結果向かいの建物が小さく見えて感じるのではないかと考えました。

実は黄色の大きさは同じです。

わかりやすいように窓枠の周りの白い壁を半透明にしています。(窓枠に色を付ければもっとわかりやすかったですね……。)

実際に検証してみた!

さて、本当にそうか?ということを調べるために、実際の写真でも調べてみたいと思います。

まずは遠くから見た時の写真の窓枠を赤い四角で囲み、

同じ大きさの四角を近くから見た写真にも挿入します。

この時、遠くから見た時に窓から見えていた景色と同じあたりに四角が来るようにします。

そして、その赤い四角に合わせて切り取ってみると……

おや? 窓枠の大きさは違うけど、向かいの建物の大きさは同じようだぞ?

これ以上のことは考えられていませんが、見えている向かいの建物の大きさは変わっていないが、窓枠との距離によって窓枠の大きさが変わり、その窓枠により切り取られる面積によって、離れれば離れるほど向かいの建物が近くにあるように感じている説は割と正しいのではないでしょうか。

実際どうなのかが気になるところです。