「Ozobot」とは、紙やスマートフォン、タブレット上に描かれた線に沿って動く小さなロボット。つまり、ロボットを動かすのに必要なプログラミング思考を、紙とペンだけで学ぶことができる、というわけです。
そのOzobotが100台以上集まってさまざまな体験ができる「OzoFes」が2019年7月27日(土)に東京の中央大学市ケ谷田町キャンパスにて開催されました。
セミナーに登壇した岡嶋裕史・中央大学教授(右)

ワークショップでは多くの子どもたちが実際にOzobotを動かして歓声をあげる光景が見られました。
そしてセミナーではプログラミング教育の第一線に立つ講師陣が登壇。その豪華なラインナップを以下に紹介します。

「テクノロジー教育と社会接続」

中村伊知哉(キャスタリア株式会社顧問、慶應義塾大学教授)
来春から開始される日本のプログラミング教育について、国家的な視点も含めて解説しました。

「なぜ私はOzobotを発明したか?」

ネイダー・ハムダ(Nader Hamda、Evollve社CEO、Ozobot発明者)
プログラミングを6歳から楽しんで学べるデバイスOzobot、その発明者が自らストーリーを語りました。

「子どものニーズや興味に合わせたOzobotの活用法」

水内豊和(富山大学人間発達科学部准教授)
幼児から小学生まで、個々のニーズや興味に合わせたOzobotを用いたプログラミング教育のあり方について、具体的に語りました。

「身近な地域課題を解決するプログラミング教育を行おう!」

大森康正(上越教育大学教授)  
地方における教育について、「小学校から高等学校までを見据えた体系的なプログラミング教育の必要性と実践案」を提言しました。

「桜丘中学校の教育とOzobot」

西郷孝彦(東京都世田谷区立桜丘中学校校長)
公立中学でありながら校則も定期テストも廃止したことで日本中から注目を集める桜丘中学校。その西郷校長が自ら登場し、Ozobotを用いた取り組みを紹介しました。

「プログラミング教育はいらない GAFAで求められる力とは?」

岡嶋裕史(中央大学国際情報学部教授)
「いらない」と挑発的なタイトルながら、では実際に必要な能力とは何か、納得のいく話を順を追って展開しました。

「OzoFes かえりのかい - 小さなロボットが切り開く未来」

松村太郎(キャスタリア株式会社取締役兼研究責任者、ITジャーナリスト)
日本におけるOzobotコミュニティをスタートさせた松村氏が「未来の話」を共有すべくやさしく展望を語りました。

「Rikejoで聞いたリケジョのホンネ ~理系女子のイメージ、アップデートしてますか?~」

長尾洋一郎(株式会社講談社第一事業局第一事業戦略部 副部長兼事業戦略チーム長)
そして我らが「Rikejo」編集部より、長尾プロジェクトリーダーが登壇。この春に開催された「ミライリケジョ2019 モノづくりカフェ」でのOzobotの活躍ぶりと、参加者の反応を紹介しました。

長尾洋一郎・講談社事業戦略チーム長

Ozobotを活用した科学教育という切り口で、今年のミライリケジョについて報告し、後半では、日本での理系女性の活躍について考えました。これまでのアンケートなどで、「Rikejo」読者のなかでも都会と地方での意識格差があること、そして地方ではとくに、実際に地域社会で活躍するリケジョが少ない、つまりロールモデルの不在が、多くのリケジョたちを悩ませている現状を発表しました。

また、リケジョが社会で活躍する「場」を生み出すはずの企業社会の側にも、「昭和」な古い価値観が残っていがちなのではないかと問題提起しました。

私たち「Rikejo」は、「Q&A」をはじめとしたさまざまな企画を提案していくことで、サイエンスの楽しさ、面白さを「どこにいてもリーチできる」ようにしていきたいと提案。来場された方々から多くの賛同をいただきました。

この会場で宣言したとおり、これからもイベントや記事を通じて、「Rikejo」はサイエンスを身近にする新たな取り組みをやってまいります。どうかよろしくお願いいたします!

キャスタリア株式会社/https://castalia.co.jp/
中央大学国際情報学部/https://www.chuo-u.ac.jp/admission/global_f/itl/