2018年11月13日・14日、ザ・プリンス パークタワー東京において「vFORUM 2018」が開催されました。両日に渡って、最新クラウド技術発表や未来を見据えたプログラム紹介がなされるなど、大盛況のうちに終わったこのフォーラム。その内容を紹介するとともに、米国ヴイエムウェア(VMware)のパット・ゲルシンガーCEOにクラウド技術の未来について、そしてダイバーシティの取り組みについてお話をうかがいました。

「vFORUM 2018」とはITに関わるすべての企業を対象に、最新テクノロジーやクラウド技術、デジタル化に取り組むビジネスパートナーとの技術共有を目指すフォーラムです。また、このイベントを主催するヴイエムウェア株式会社は1998年にアメリカで設立されたヴィエムウェアの日本法人で、日本でも2003年より活躍の場を広げ、次世代のクラウドやモバイル、ネットワーク、セキュリティの分野で常に先進技術を提供し続けています。

13日に行われたジェネラルセッションにはヴィエムウェア株式会社代表取締役社長ジョン・ロバートソンが登壇し、「ヴィエムウェアの技術はグローバルで50万社、日本でも約2万社で利用されています」とコメント。そして今回、新たなパートナーシップとして、VMwareとアマゾン ウェブ サービス(AWS)が共同で開発した統合クラウドサービス「VMware Cloud on AWS」の東京リージョンでのサービスが開始されたことなども発表しました。

また、このイベントでは会場内でVMware のエキスパートによる解説付きのワークショップをはじめとする「ハンズオンラボ」や、VMwareのパートナー企業による最新技術を紹介する展示ブースなども並び、来場者の多くの関心を集めていました。

ヴイエムウェア株式会社代表取締役社長 ジョン・ロバートソン
ワークショップやセッションではすぐに定員がいっぱいになるプログラムも

「Rikejo」ではVMwareのパット・ゲルシンガーCEOにお話をうかがうことができました。

VMware CEOパット・ゲルシンガー

――今回の「vFORUM 2018」ではさまざまな革新的な技術が発表されましたが、今後のクラウド技術およびIT社会はどのように変わっていくと思いますか?

「クラウド技術は、迅速かつ効率のいい形で無制限のリソースにアクセスができ、どんどんとスケールアップできることが大きなメリットだと思っています。日本市場はかつて、このクラウドテクノロジーの採用に遅れがちではありました。しかし、それは日本の皆さんが品質に関して気にかけるということと、また、さまざまな意思決定に対して注意深く決断なさるということが影響したかと思います。とはいえ、現在、日本でもこのクラウドの市場は立ち上がり、世界に追いついてきましたし、これからますますクラウドのパワーというものが消費者の個人の皆様、そしてビジネスの場で大きな利益をもたらし、大きな発展を遂げていくと思います」

――では、そうした将来に向けてダイバーシティとしての果たす役割は何だと思いますか?

「ダイバーシティは現在、グローバルで多く語られているトピックになってきています。このダイバーシティがあることによって、さまざまなアイデアが生まれ、同時にベネフィットがもたらされるというのは、すでに研究結果として現れています。女性をはじめ、さまざまな人たちがインクルージョンされ、多種多様の異なるアイデアが交換されることによって、ひとつの問題の解決に対するものの見方や答えもたくさん出てきます。

これまで、テクノロジーの世界というのは圧倒的に男性有利でした。しかし、いま企業としても、また業界全体としても、我々はこの点において課題を投げかけられている時だと感じています。労働者の多様性を保ち、そして男女の性別についても均等な形で労働者を構成していく――。それが日本はもちろん、どの世界でも求められています。こういったダイバーシティを持ち、あるいは多様性に富んだ従業員の構成を保つことによって、よりよいビジネスを行うことができますし、さまざまな問題の解決も効率よくもたらされるようになります。そのためにも、我々も雇用、およびビジネスの進め方について、改めて考えていくということが必要になると思います。

そして、ダイバーシティおよびインクルージョンの環境を作り上げていくことによって、ビジネスにとっても素晴らしい結果がもたらされ、さらには社会にも貢献することになると思います」

――では、VMwareにおけるダイバーシティの成功例を教えていただけますか?

「VMwareではとてもアクティブにダイバーシティの推進を行っています。『Women Who Code』(※)というプログラムについても多くの支援を行い、またさまざま教育活動においても女性たちに教育の場を増やす活動に力を入れてきました。(※テック業界の女性のためのプロフェッショナルなコミュニティー。14か国で18000人以上のメンバーが参加し、世界中で広がりをみせている)

その結果、多くの高い評価を得ることができました。こうした活動を通じて、社内のリーダーについても素晴らしい女性たちが育ち、その最たる例として、ヤンビン・リーという女性がおります。彼女はストレージのビジネスを率いており、このダイバーシティを推進することによって、社内に非常にポジティブな文化が育っていきます。また、このような素敵な文化が育つことによって、さらに素晴らしいリーダーがそこから育っていくという好循環が生まれていくのです」

Women Who Code引用URL
http://womenwhocode.tokyo/