全国で展開している通信カラオケ「JOYSOUND」の商品企画をしています。皆さんがカラオケボックスに入るとカラオケ機器や曲を選ぶときに使用する選曲端末が必ず置いてありますよね。まさにその企画開発を担当しています!

例えば、2015年に発売した「JOYPadキョクナビ」というカラオケ選曲端末では、画面に表示される各機能のボタンの大きさや形、配置などのデザインを手がけました。中でも特にこだわったのが文字の入力方法です。最近はスマートフォンをお持ちの方が多いので、スマホに近い感覚で使えることを意識しました。とはいえ、カラオケは年齢を問わず楽しんでいただけるものですので、初めて端末に触れる年配の方でもわかりやすい操作性もしっかりと考え、取り入れています。

1992年に、エクシングが通信カラオケをスタートさせて以来、インターネットと連動したサービスがどんどん増えてきています。そのひとつが「うたスキ ミュージックポスト」という機能。これは自作した楽曲をパソコンから、誰でも無料で全国のJOYSOUNDにカラオケ配信できるというもので、一般の方はもちろん、アーティストの方にもプロモーションなどで活用いただいています。

さらに、楽器の演奏ができる機能や、楽器が弾けない方でも、ミュージシャン気分が味わえる機能なども搭載し、楽しみ方がどんどん広がっています。ですので、私も普段からカラオケだけにとどまらず、世間で今どんなものが注目されているのかを調査したり、実際に大学生の生の声を聞いたりして、新たなカラオケの楽しみ方を模索し、開発に活かしています。

魚のお医者さんからカラオケメーカーに方向転換!?

理系に進んだのは、生物に興味があったからでした。祖父が寿司屋だったので、特に海洋生物に関心を持っていました。そのため、魚専門の獣医になることを夢見たときもあったのですが、日本では資格が取れないこともあり断念。それでも大学では魚にちなんだ勉強がしたくて、養殖のヒラメをウイルス性感染症から守るための遺伝子組み換えの研究をしていました。

その経験を活かして、製薬会社の道に進むことも考えましたが、迷った結果、エクシングを選びました。ジャンルがまるで違うので驚かれるかもしれませんが(笑)、私の信条として「自分の好きなもので、周りの人を喜ばせたい」という思いがあり、それで大好きな音楽で多くの人を楽しませることのできるカラオケ事業への就職を選んだのです。

カラオケのいいところは、マイクひとつあれば誰でも気軽に音楽が楽しめること。それに今の時代は、ゲームやインターネットなど個人でできる遊びが多様化していますが、カラオケはみんなで楽しめます。これからも、企画開発担当として、人と人がつながり、みんなで素敵な時間を共有できるようないろいろなアイデアをカラオケで展開していきたいと考えています。

【リケジョブ・オフショット】

魚釣りが大好きでほぼ毎週海に行ってます! 夏にはコチあたりが釣れます。潮が満ちているときはイワシを100匹以上釣ったこともあって、ほとんど漁みたいな感じでしたね(笑)。

(『Rikejo』2016年9月号より。情報は取材時のものです)