ロレアルグループの日本法人である日本ロレアル株式会社は、7月8日、2015年 第10回「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」の受賞者発表・授賞式をフランス大使公邸にて開催しました。同賞創設10周年を祝し、常陸宮妃殿下がご臨席されました。
 

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同賞は、日本の若手女性科学者が、国内の教育・研究機関で研究活動を継続できるよう奨励することを目的として、2005年11月に日本ロレアルが日本ユネスコ国内委員会との協力のもと創設。対象者は、物質科学、生命科学の分野で、博士後期課程に在籍または、博士後期課程に進学する予定の女性科学者で、原則、各分野からそれぞれ2名(計4名)決定し、賞状と奨学金100万円が贈られます。昨年までに36名の若手女性科学者が受賞しています。
 
また、特別賞は2010年に創設され、科学をはじめ教育分野への夢と希望を多くの人々に与えるとともに、社会的発言力があり、若い女性のロールモデルとなる個人または団体を表彰しています。
 
 

本年度の受賞者

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■物質科学分野

山本 久美子さん(東京大学大学院 薬学系研究科 薬科学専攻 金井求研究室)
創薬・材料科学に展開可能な分子変換法の開発
(研究内容)次世代ポリオール合成法の開発―触媒的多連続不斉アルドール反応

 
吉村 瑶子さん(京都大学大学院 理学研究科 化学専攻 ナノスピントロニクス研究室)
低消費電力で高速動作する全く新しい情報記録装置の実用化に向けて貢献
(研究内容)デバイス応用を目指した磁壁の移動に関する研究

 
■生命科学分野

林 真妃さん(名古屋大学大学院 理学研究科 生命理学専攻 植物生理学研究室)
植物の気孔が開くしくみを明らかにし、植物の環境応答の理解と有用植物の作製に貢献
(研究内容)青色光による気孔開口の分子メカニズムの研究

 
向井 理紗さん(徳島文理大学 香川薬学部)
ウイルス性白血病発症機構の解明に貢献
(研究内容)白血病ウイルスは如何にして人体の恒常性を撹乱させているのか ― HTLV-1 由来産物HBZ タンパク質による宿主因子機能破綻機構の解析

 
■特別賞

知花 くららさん(国連WFP日本大使)
日本初の国連WFP日本大使として、国連WFPの学校給食プログラムを通じて食が栄養不足の開発途上国の子どもたちの命を支え、学校へ通うきっかけとなり、教育の機会につながることを訴求する啓発活動を8年以上にわたり精力的に行っており、その功績が高く評価されました。

 

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知花さんは「素晴らしい賞をいただき、本当に光栄に思っております。国連大使として世界の状況をお伝えするのが私の務めですが、たくさんの方々が、お耳を貸してくださることでこの活動が結実します。学校給食を支援することで、親御さんたちも喜んで子どもたちを学校へ送り出してくれます。そうやって子どもたちの出席率と成績も上がっていくと聞いた時は、この活動は”未来への種まき”なんだと強く感じました」と受賞の喜びと活動への意欲を語りました。