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Q:現在はどんなお仕事をしているのですか?

家庭用電化製品やモバイル機器などの電子機器から放射される電磁波ノイズを抑えるためのシートを開発しています。
この商品は昨年末に発売されましたが、アイデア自体はかなり前からありました。、私が開発に携わってからでも4年が経ちます。その間、けして順調な道のりだったわけではなく、実は開発そのものが打ち切られそうになった時期もありました。
そんなときにグローバルで全従業員から新たなビジネスアイデアを募集するコンテスト“イノベーションチャレンジ”というのが開催されることを知り、「これに参加して勝ち残るしか生き残る道はない!」という思いで応募しました。
そうしたところ、トントン拍子で勝ちあがっていって、最終的に優勝することができました。
私もアメリカの本社に行ってCEOの前で頑張って英語のプレゼンもしました(笑)。
優勝したあとにグローバルで認められたプロジェクトとして、そこから本格的な開発が始まったのです。
 

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Q:現在の会社に就職することを決めた理由は?

私は子どもの頃からモノづくりが好きで、「自分がつくった商品をたくさんの人に使ってほしい」という気持ちがありました。
最初は化粧品の開発を目指していましたが、就職活動をしている中で、電子部品は身の回りのたくさんの電化製品に使われていることを知り、化粧品よりもさらに多くの人に使ってもらえると思ったのが一番の理由ですね。
それにモレックスは電子部品コネクターの売り上げが世界トップクラスという大きな会社ですが、コネクター以外の商品もたくさん開発しており、「この会社なら大学で学んだ化学の知識も活かせる!」と思いました。また、最終的には父の言葉も後押しになりました。私の父はエンジニアでモレックスのコネクターに馴染みがあったんです。就職先を決めるときに父に相談すると、「モレックスはいいと思うよ」と背中を押してもらいました。

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Q:高校時代はどんなことに夢中になっていましたか?

小学校1年生から続けていた剣道です。剣道部の活動に夢中で、高2までは日々の予習復習ぐらいで、正直あまり勉強はしていませんでしたね(笑)。
普段のスケジュールは、朝早く起きて、学校に行って朝練のランニング。それから授業を受けて、夕方からは部活の練習。8時ぐらいに自宅に戻り、宿題などをすませて12時前には寝ていました。
3年生になってからは、「さすがにこのままじゃマズイだろう!」と思って、本格的に受験勉強をスタートしました。幸い、私の高校は進学校だったので、学校のサポートが充実していました。3年の夏に部活を引退してからは、朝練の時間と放課後の練習時間がそのまま補習授業になりました。
受験対策用の宿題も学校が出してくれ、わからないところがあったら先生に聞いていましたので、特に塾に通う必要もありませんでした。

Q:現在は外資系の企業で働いていますが、英語は得意だったのですか?

理系に進みましたが、英語と国語は得意でしたね。でも入社したばかりの頃、TOEICは400点台でした。やっぱり社内で英語を頻繁に使っているうちに慣れてきたのか、最近では780点ぐらいまでスコアが上がりました。いまは週に1回アメリカの本社と電話会議をしたり、レポートも英語で提出したりしています。
英語でコミュニケーションをとれるようになるために重要なのは、基本的な知識さえあれば、あとは慣れと勇気だと思います。
私もそうだったのですが、なかなか最初のひとことを話しかける勇気がないじゃないですか。でも勇気をもって話しているうちに、どんどん慣れて使えるようになっていきます。それに海外の人たちは、私たちがネイティブじゃないことを分かっているので、何か間違ったことを言っても頑張って解釈しようとしてくれます。だから別にうまく喋れなくてもいいのです。ポイントさえおさえていれば、大丈夫!
英語を使うのが嫌でなければ、外資系はオススメですよ。
世界のいろんな国の人と会話できるのは楽しいですし、海外の人とコラボレートしていい仕事ができたときはすごく達成感があります。

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(文=川原田剛 写真=井上孝明)