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*海外向けの原子力発電所の設計

海外向けの原子力発電所の設計に関わっています。
建屋にある発電システムの設計は原子炉、タービン、廃棄物処理など細かく分かれていますが、私は配管を担当しています。
今はイギリスの案件を進めていて、現地に弊社の原発をどうフィットさせるか法令や規格など、さまざまな英語文献を読んで設計に活かしています。
原子炉から出た蒸気をタービンに送る配管、それを冷やす冷却水用の配管など、役割や材質、つなげる場所も異なる多くの配管を図面に起こしていくのです。

*震災を機に技術者としてエネルギー問題に貢献したいと思いました

実はこの分野は専門外でした。幼稚園のころに天文に興味を持ち、アメリカの大学で宇宙物理学を専攻し、太陽風によって地球に飛んでくる微粒子を計測する研究をしていました。
学部卒業を目前に控え、大学院へ進もうと思っていたころ、東日本大震災が起きました。アメリカでも多くの人が福島の第一原発のことを気にかけていて、理系ということで原発について質問されることが何度かありました。
自分なりに調べて原発の仕組みを理解する中で、自分が技術者として何か貢献できないかと思い、この道に進むことを決めました。
原発を止めて終わりという簡単なプロセスでは解決できないと感じましたし、今後のことを考えて、誰かが技術者として原子力の分野で働かなければいけないと思ったからです。

*自分の強みである語学を生かせることにやりがいを感じます

その後、アメリカで開かれていた留学経験者向けの就活の場・キャリアフォーラムで日立と縁があり現在に至ります。大学での専攻とは違う分野ですが、技術者向けの新人研修を通して原子力分野の基礎を学び、現在は、海外企業とのメールや電話でのやり取りも多く、語学(英語)という自分の強みを生かせていることにやりがいを感じます。
日々、課題を解決しながら現在のプロジェクトを無事にやり遂げることが目標です。
(文=十倉和美 写真=井上孝明)