img1

*野菜や花のタネがちゃんと芽を出すよう検査しています!

スーパーやお花屋さんで売っている野菜や花も、一粒のタネから育ったものです。サカタのタネは、野菜と花 約1600品種のタネを扱っていて、新品種の開発から販売までを行っています。私はタネがきちんと芽を出すかどうかを調べる「発芽試験」などを担当。市販のタネのパッケージ裏には「発芽率」というものが記載されているのですが、それを調べているのも私たちです。
膨大な数のタネを日々検査するので、たくさんのスタッフとともに仕事を進めますし、うちの会社は海外19ヵ国に拠点があるので、研修などを通じて異文化交流もあります。
タネに向き合うだけでなく、多くの人とグローバルに関わりながらの仕事です。初々しい新芽に囲まれているのは、それだけでなんだか幸せですし(笑)、毎日、とても楽しいですね。

*大学の勉強がいまにつながっています

子どものころは、科学雑誌が毎月楽しみでした。子ども向けながら、地球温暖化や食糧問題などのテーマが取り上げられていました。付録の「ひまわりのタネとスコップのセット」はとても印象に残っています。思えば、タネとのご縁はその付録からかもしれません(笑)。
その雑誌の影響もあり、身近な生物の世界に興味を持ち、食品や環境などの仕事がしたいと思うようになりました。 受験を迎えるころには農学部という具体的な目標を持っていました。大学では、タネが発芽するまでの「休眠」をテーマに研究。タネは、発芽に適した環境が整うまで眠るという能力を持っているんです。可愛くないですか?(笑)。
いまの仕事は、お客様のもとでタネが期待通りに発芽するかどうかを確かめる仕事。大学の勉強がいまにつながっています。
社会に出て感じることは、たとえタネという生物分野の仕事に就いても、化学の知識や、国語・英語の力も必要だということ。皆さん、「中高の必修科目はしっかりやって損はなし!」ですよ。
(文=峯田亜季 写真=井上孝明)