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リケジョからの質問

物理学科

おおえま
質問日:

2020.11.06

生物物理学とはどのようなものですか?簡単にお願いします。また、物理学科の研究で医療関係で学べる物理学ってなんですか?

先輩リケジョからの回答1 回答

生物物理学とは「生物学のトピックを物理を使って解析しよう」と言う比較的新しい分野です。

たんぱく質の構造も、神経のパルスも、全て物理の法則の上に成り立っています。例えば神経はボルツマン分布を使ってモデリングすることが可能だったり、オームの法則で電気の信号をコントロールしたりしています。たんぱく質の構造もたんぱく質自体、原子で出来ているわけですから「ここは水素ありすぎて折り込めない」などと言うことがあったり、アミノ酸のチェーンがどちらに折れるのか、をランダムウォークなどを使って解析することができます。

医療関係で使う生物物理と言えば血流の流れ(流体力学)、呼吸の時の圧力のかかり方、電気信号のパルス(電磁)などで主に使いますが、実際には物理と言う基礎研究の方法を生物と言う基礎研究に使う新しい分野としてできたので、基本的に臨床に適用することはあまりなく、医療系で研究をしている生物物理学はどうしても基礎研究の方が多くなります。臨床で使う生物物理学はやはり放射線科などが多くなるでしょう。

数式を解くのは好きだが、物理自体はあんまり興味がない、と言う方は生物物理学がいいんじゃないか、と思います。私も大学生の時の専攻は生物物理学で、神経科学の方にその物理の基礎知識を応用することがよくあります。またその他にも細胞の中の水分の流体の解析、細胞の中における化学的な均衡の求め方、どのようにして鞭毛が力学的に動いているか、なども全部生物物理学です。細胞のレベルだけではなく、塩水の中の電気がどうなっているか(細胞の中は塩水)、細胞膜がどのようにその二重構造を保っているか、なども生物物理学の分野になります。なのでマイクロ(たんぱく質、アミノ酸レベル)からマクロ(進化論)まで物理で分析できますので、分野は色々と選べます。

数式をいじるのが好き、などでしたら生物物理学は勉強して楽しい分野の一つだと思います。私も数式いじるのが好き、微積も好き、だったので後々になって考えてみるととてもいい専攻を選択したと思っています。

頑張ってね!

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