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リケジョからの質問

理系の魅力

桜咲
質問日:

2010.12.20

初めまして!私は私立校に通う高1生です。

もうすぐ控えている文理選択に頭を抱える日々を送っています。

興味は文系に傾いているのですが、就職のことを考えると、理系も視野に入れて決断したいと思っていて…

文系なら法学系、理系なら生活密着型の面白そうな研究をしている所という感じで曖昧です(-ω-;)

そこで、研究やものづくりといったものの魅力について教えていただきたいです!!

それと、理系にはどんな性格(探求心旺盛、我慢強いなど)の方が多いのでしょうか??

ご回答宜しくお願いします!!m(_ _)m

先輩リケジョからの回答2 回答

桜咲さん、こんにちは。
高校1年生というと多くの学校では文理選択の時期ですよね。
まず、質問にお答えする前に、ぜひ桜咲さんにお伝えしたいことがあります。
それは、将来文系の学部に行くのであれ、理系の学部に行くのであれ、
今の文理選択は理系がおすすめ、ということです。



僕もちょうど今をさかのぼること30年近く前、文理選択をしましたよ。
で、悩まずに文系を選んだのを覚えています。
なぜなら、当時新聞記者か…できれば小説家とかそういう仕事に
就きたかったから。普通に考えたら文学部を卒業して…文系ですよね。


で、結果から言うと、間違いでした。
若かったよ、あのころは。何も知らなかった。
僕はいつも、安易に文理を選択させている高校のシステムに
常に疑問をもっている一人です。


何が間違いだったと後悔しているのか、というと、
まずなんて言ったって、文系の数学がつまらなかったこと。
数学IIIをやって、さらに大学でそれなりに数学を勉強してわかったことは、
文系で学習する数学IIBまででは、数学の面白い部分が全く出てこない事!
しかも、多くの文系の研究でも、統計学や微分積分学や極限や行列が
出てくるんですよ。
妙な入試のシステム(すなわち、文系は数学IIB、理系は数学IIICまで)のせいで、
文系の人は、余計にたくさんの勉強を大学で強いられているわけで、
意味が無いでしょ。


だから僕はいつも言ってるんです。文系でも数学IIICまで勉強しなさい、と。
実際に高校によっては文系でも数学IIICまでやる学校もあるんですよ。
でも、現実そうじゃない学校も多い。だから文系志望だろうが
理系志望だろうが、数学IIICまで勉強するコースに行きなさい、と、
そういう結論になってしまいます。


それから、もう一つ僕が言いたいこと、それは、将来の仕事の夢があったとして、
たいていは理系学部出身でもその仕事に就ける、ということです。
実は僕の友人の多くが、理学部や工学部から、文系と思われるような企業に
就職しました。それは(別の質問でも答えましたが)銀行だったり
証券会社だったり新聞社だったり保険会社だったり。
あと、僕みたいなライターの仕事も、世の中では文系と思われていますが、
実は理系出身の人も結構います。理系から文系の就職は結構多いのです。


で、しかも、理系学部→文系就職の人は、各会社で非常に重宝されていると
いうことです。
理系学部出身者は理系の多くの内容を理解できます。例えば競合他社の戦略や
別分野の商品の特性など、自社内では理解できないような理論や内容を、
たやすく理解できる可能性が高いのです。
そしてそれは文系学部出身者には難しい場合が多いのです。


だから、まず桜咲さんに言いたいことは、とりあえず今悩んでいる文理選択は
迷わず理系にしておきなさい、ということです。

(回答が1つの枠に収まらないので、続きは別枠で回答しますね。2つ回答があるので見てください)

このことを踏まえて、ご質問の「研究とかものづくりの魅力」なんですが、
研究にせよ開発(ものづくり)にせよ、世の中の多くの人を幸せにできる、という
実感があることが一番大きいかな。


研究っていう点で言うと、実は僕も大してキャリアが長いわけじゃないんですが、
いろいろ自分が考えていることが世の中をほんの少しでも良くしているっていう
実感ができる点がすばらしいです。それは文系・理系関係ないですけどね。


学会とかに行って自分の発表をしたりするのですが、それは大抵、何ヶ月も
かけて温めたちょっとしたアイデアだったりするわけです。
で、その発表をした直後に、本でよく名前を聞く先生なんかに意見を
言ってもらったりすると、結構嬉しくなったりするんですよね。
自分のアイデア、方向性は間違ってなかったんだな、とか。
しかも「僕はこういうことを思ったんだけど…」とか言いながら、
今まで考えもしなかったアイデアをもらったりして。


そういうやりとりで、自分の頭の中だけだった概念が世の中に認められていくことで、
結局この世界のほんの小さな部分でも、自分が貢献してるんだ、という実感が
素晴らしいように思います。研究っていうのはそういう楽しさかな。


もう亡くなられたのですが、僕が大学時代にお世話になった光田先生という教授が
いらっしゃって、その先生は風速計の研究をしてらっしゃったんですね。


その先生が学生の頃、風速計というと、プロペラ式の単純なやつしかなかったわけ。
みなさんも見たことがあるかもしれませんが、飛行機みたいな形をしてて、
風の方向を向いてプロペラがくるくる回って、その回った回数で風速を測る、
というものです。


でもこれって、実は微妙な風ならプロペラの摩擦で回らなかったり、かなり仕組みが
単純で、すぐに故障したりする欠点があるんですよね。


で、光田先生は学生時代「超音波風速計」というのを考え出したわけ。
仕組みはこんな感じ。


超音波を発生したり計測したりできる測器のついたポールを地上に、
5mとか10mの間隔をあけてあけて2本立てるんです。で、まず右のポールから
超音波を発振して左のポールに到達するまでの時間を観測し、
つぎに左のポールから超音波を発振して右のポールまでの到達時間を観測します。
空気が流れていると、右→左の到達時間と、左→右の到達時間に違いが生じます。
この時間差などから、かなり精密に空気の流れの速度、すなわち風速と風向がわかる、
という訳です。


この風速計を光田先生が発明されて、世界の風速計は大きく進歩したのです。
安価で丈夫で精密な風速計を発明することで、世界中の多くの人から感謝してもらえる、
そんな仕事って、あこがれないですか?


まあ、こんなにすごいお仕事ができる人っていうのは、広い研究界でも
そう多く無いと思いますが、大なり小なり、研究とか開発の仕事っていうのは
こういう楽しさがありますよね。
世の中を驚かせてやろう、じゃないけど、そういうワクワク感がありますよ。


でも、そういうのは、やはりかなりの努力から生まれてくるものでもあるんですね。
例えばさっきの光田先生も、学生時代にかなり気象学を勉強されて、そこから
思いついたのが「超音波風速計」だったわけで、努力が必要なのも確かです。


ちなみに、理系の人の性格…いろいろです。
ただ、ヒトクセあるような個性豊かな人が多い気も若干しますが…それは
どの世界でもそうかもしれませんね。
多分、理系の世界、人間観察は楽しいですよ。それも研究対象になるかも?


いずれにしても、理系はいいですよ。
Rikejoの意図にぴったりの質問をありがとうございました。
またその後どうなったか、ご報告のメッセージ、お待ちしていますね!
お礼日時:

2011.03.31

だいぶ間が空いてしまってすみません(>人<)丁寧なご回答ありがとうございます!!そうですね。私も、誰かの役に立てるというのは素敵だと思います!その方のように努力し、自分の好きなことで人の役に立てるように頑張ります(`・ω・´)そして、文理選択では"理系"に進むことにしました。小さい頃から、身近なもので何かを作ることやコーディネートするのが大好きだったのを思い出し、建築系の学部に進むことにしました。理系に目を向けるきっかけを下さって、本当にありがとうございました!!

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