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リケジョからの質問

難聴の治療の研究

りょ@
質問日:

2018.10.25

神経と五感のつながりについて学び、その学習を生かして、難聴や、事故などにあって痛みなどを感じなくなってしまった方々の治療方法の研究に携わりたいです。どのような学部に行けばいいのかわかりません。その学部に行ったあと、どのような就職先があるのでしょうか?
また、現在そのような研究は実施され、すでに見つかっているのでしょうか?調べてみてもよくわからなかったのでどなたか教えてください!

先輩リケジョからの回答1 回答

これは国にもよりますし、どのようなアプローチをしたいのかにも関係してきますが、とりあえずざっくりと書いていきます。

研究:
これは基本的に三段階あり、基礎研究、応用研究、臨床研究とあります。私がやっているのは基礎研究で「正常なシステムがどう動いているか」を解明する段階です。正常なシステムがどうなっているのかわからないと、正常じゃないシステムがどこがおかしくて正常ではないのかわからないからです。

これの解析が終わったら次は応用研究に移ります。これは薬を作ったり、治療法を開発したり、という研究です。これも基礎と同じく、実験室で動物実験が多くなります。

最後が臨床研究で、これは実際に患者さんなどに投与し、どうやったらその病気に対して一番効率的な治療ができるか、を考える研究です。この段階ではもっぱら医者が多くなってきます(患者さんと接するからですね)。

臨床に関わりたいのならほぼ100%どこの国でも医師になることが最優先となります。

じゃあ後の二つは?これはもっぱら博士課程に進学することになります。(ちなみに私も生物理学科から生物系の研究室に博士課程で進学しました)。学部はさまざまな理系学部からさまざまな理系学部に博士課程で進学するので特に「王道はこれだ!」と言うのはありません。日本の場合だと結構元いた学科から同じ学科(学校は違うかも)に進学が多いようですが、海外だとそうでもありません。

神経に携わりたいようなので、それに特化して書きますが、神経科学と言っても分野はとても広く、応用も様々です。情報工学から神経モデリングするので神経科学に進学した友達もいますし、生物学から神経科学に進学、もいますよ。どちらかと言うと神経科学の分野としてはシステム神経科学か細胞神経科学になると思うので、私だったら多分生物学科に進学すると思います(でも神経科学は物理を使う概念が結構出てくるので物理は必要だよ!)。

研究はもう実施されていますよ。現に私の大学でも難聴の研究(私の研究室は後々薬開発のためにどうやって正常な聴覚が発達していくのか、正常な聴覚はどういうシステムなのか、を研究しています)、補聴器の研究、難聴をどうやって診断するかの研究、などをしていますし、同大学の研究室には慢性疼痛の治療のための痛みの研究(痛みをどうやって脳は認識しているのか)などの研究をしている先生がいらっしゃいます。特に慢性疼痛はかなり厄介な問題のため、今はホットな研究テーマです。

就職先は学位にもよりますが、大抵研究所、大学か薬品会社などの開発になります。ヘッドホン会社のボーズに就職したりする卒業生もいれば、科学ライターになる卒業生もいたり。ただし、今はアカデミックは就職氷河期なので、それは考慮に入れた方がいいです。

実は神経システムってわかってないことがほとんどなので(分野自体が新しく、150年経つか経たないか)、わからないことだらけです。とりあえず今はブルーバックスなどで色々読んでみて(ブルームの「脳の探検」は長いけど結構おすすめです)、どんな分野が一番自分は好きなのか、を考えてみるといいかも。研究は辛いこともあるので、好きじゃないと続きません。だから今は自分が好きな科目を考えたりしてみるのも一案です。

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