リケジョからの質問
理系学部だと大学院に進学?

つぼきお
質問日:
2013.05.26
こんにちは。現在高校3年で受験生なのですが、目標が定まらず、受験勉強にイマイチ集中できずにいます。今まで、何となく薬学部進学を考えていたのですが、真剣に将来を考えてみたとき、自分のやりたいことが本当にそこにあるのか迷うようになりました。将来、結婚・出産などで仕事を一休みすることになったとき、やはり資格があるとよいということで、母は薬学部を勧めます。
薬学の勉強にも興味はあるのですが、どちらかといえば農学系の方が私には向いているのかもと最近は思うようになりました。担任の先生は、やっぱり 大学で学んだことを生かして就職しようとしたら、院に進まなければ厳しいとおっしゃっていました。しかし、農学部に行き、院も含めて6年間分の学費をだしてもらうのは、親に申し訳ないという気持ちがあります。また、どうせ6年間通わせてもらうならば、薬学部で資格を取った方がよいのかなとも思います。
農学部に進学して、例えば 食品系の企業に就職しようとすると、やはり大学院まで卒業している人の方が明らかに有利なのでしょうか。農学部で、4年だけ通って就職した場合、大学で学んだことは生かせないのでしょうか。
薬学の勉強にも興味はあるのですが、どちらかといえば農学系の方が私には向いているのかもと最近は思うようになりました。担任の先生は、やっぱり 大学で学んだことを生かして就職しようとしたら、院に進まなければ厳しいとおっしゃっていました。しかし、農学部に行き、院も含めて6年間分の学費をだしてもらうのは、親に申し訳ないという気持ちがあります。また、どうせ6年間通わせてもらうならば、薬学部で資格を取った方がよいのかなとも思います。
農学部に進学して、例えば 食品系の企業に就職しようとすると、やはり大学院まで卒業している人の方が明らかに有利なのでしょうか。農学部で、4年だけ通って就職した場合、大学で学んだことは生かせないのでしょうか。
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先輩リケジョからの回答1 回答
Fuku(公的機関・土木職、宇都宮大学大学院農学研究科修了)
回答日:
2013.05.28
つぼきおさん、はじめまして。
まず、ひと言で申し上げますと、
「大学院まで卒業している人のほうが明らかに有利」→まったくの間違いです。
「4年だけ通って就職した場合、大学で学んだことは生かせないのでしょうか」→学士(学部4年卒)であろうが、修士(大学院修士課程(2年)=大学院博士課程前期(2年)修了)であろうが、大学で学んだことは「たかが知れて」います。
次に、少し詳しく現実的に申し上げます。
お母様がご心配されている件ですが、一時的なリタイア後の再就職を考えるのであれば、資格よりも公務員を目指された方がよいでしょう。
ワークライフバランスや福利厚生の充実が叫ばれる今日ですが、やはり民間ではまだまだというのが現実だと思います。
もちろん「民間」というひとくくりで判断してはいけないところではありますが。
大学は「時間を買って」学ぶ、お金も時間も自分に投資するところです。
親に申し訳ないというお気持ちはすごくわかります。私もそうでした。特に院に進んでから、一度就活に失敗した時は、相当悔やみました。
しかし、どれだけ自分の「将来」に投資するかをよく考えてみてください。
ここで「将来」と強調したのは、投資した内容は、大学在学中、あるいは卒業して数年で結果などが出ることではないからです。
そもそも投資の内容とは、ただ勉強して知識を詰め込んで資格かなんかをとる、というだけではありません。
平たく言えば、例えばボランティア、バックパッカー、留学など大学での座学以外に、どれだけ経験値を積めるか、いろんな生き方をしている人と出会えるかということも含まれると思います。
こうした点では、私は院に進んだことは後悔していません。
また、学校の先生がおっしゃっていることですが、ひと昔前の時代はあながち間違っていなかったのかもしれません。
しかし、今は違うと思います。
「理系は院(修士課程)までいってなんぼ」という考えを否定するわけではありませんが、院を出たからといって就職がに近くなるわけでは決してありません。
もし公務員を目指されるのであったり、資格で左右される職種であればなおさらのことだと思います。公務員はまず筆記試験でふるいにかけられますし、資格云々であれば、その資格を持ってさえいれば採用条件の一つはクリアできるからです。
就活の話に脱線しますが、なんだかんだ言っても就職は個人の取り組み方次第が大きいかと思います。運やタイミングもありますが。
院進学、何年大学に行くかにとらわれて選択に迷うのは賢明ではありませんね。
就職も視野に入れて考えるのであればなおさらですが、なぜその学部(院)に行ったのか、そこで何を得、今後に活かすのか、というビジョンを描いていることが非常に、非常に大事です。
あともう一つ、自分の「やりたいこと」と「就職」は分けて考えましょう。
もちろん、就職も考慮することはよいのですが、何のために大学に行くのか、をよく考えてみてください。もし「就職するため」が先に出てくるようであれば、私は薬学部を強くオススメします。
就職も頭には入れておくものの、(かなり大げさに言えば)「人生、社会を学ぶため」的な答えが出てくるのであれば、興味のあることを学びましょう。「好奇心」こそ、学びの一番の源です。
以上、長くなってしまいました。
少しでも参考になれば幸いです。
まず、ひと言で申し上げますと、
「大学院まで卒業している人のほうが明らかに有利」→まったくの間違いです。
「4年だけ通って就職した場合、大学で学んだことは生かせないのでしょうか」→学士(学部4年卒)であろうが、修士(大学院修士課程(2年)=大学院博士課程前期(2年)修了)であろうが、大学で学んだことは「たかが知れて」います。
次に、少し詳しく現実的に申し上げます。
お母様がご心配されている件ですが、一時的なリタイア後の再就職を考えるのであれば、資格よりも公務員を目指された方がよいでしょう。
ワークライフバランスや福利厚生の充実が叫ばれる今日ですが、やはり民間ではまだまだというのが現実だと思います。
もちろん「民間」というひとくくりで判断してはいけないところではありますが。
大学は「時間を買って」学ぶ、お金も時間も自分に投資するところです。
親に申し訳ないというお気持ちはすごくわかります。私もそうでした。特に院に進んでから、一度就活に失敗した時は、相当悔やみました。
しかし、どれだけ自分の「将来」に投資するかをよく考えてみてください。
ここで「将来」と強調したのは、投資した内容は、大学在学中、あるいは卒業して数年で結果などが出ることではないからです。
そもそも投資の内容とは、ただ勉強して知識を詰め込んで資格かなんかをとる、というだけではありません。
平たく言えば、例えばボランティア、バックパッカー、留学など大学での座学以外に、どれだけ経験値を積めるか、いろんな生き方をしている人と出会えるかということも含まれると思います。
こうした点では、私は院に進んだことは後悔していません。
また、学校の先生がおっしゃっていることですが、ひと昔前の時代はあながち間違っていなかったのかもしれません。
しかし、今は違うと思います。
「理系は院(修士課程)までいってなんぼ」という考えを否定するわけではありませんが、院を出たからといって就職がに近くなるわけでは決してありません。
もし公務員を目指されるのであったり、資格で左右される職種であればなおさらのことだと思います。公務員はまず筆記試験でふるいにかけられますし、資格云々であれば、その資格を持ってさえいれば採用条件の一つはクリアできるからです。
就活の話に脱線しますが、なんだかんだ言っても就職は個人の取り組み方次第が大きいかと思います。運やタイミングもありますが。
院進学、何年大学に行くかにとらわれて選択に迷うのは賢明ではありませんね。
就職も視野に入れて考えるのであればなおさらですが、なぜその学部(院)に行ったのか、そこで何を得、今後に活かすのか、というビジョンを描いていることが非常に、非常に大事です。
あともう一つ、自分の「やりたいこと」と「就職」は分けて考えましょう。
もちろん、就職も考慮することはよいのですが、何のために大学に行くのか、をよく考えてみてください。もし「就職するため」が先に出てくるようであれば、私は薬学部を強くオススメします。
就職も頭には入れておくものの、(かなり大げさに言えば)「人生、社会を学ぶため」的な答えが出てくるのであれば、興味のあることを学びましょう。「好奇心」こそ、学びの一番の源です。
以上、長くなってしまいました。
少しでも参考になれば幸いです。
お礼日時:
2013.06.02
すごく丁寧にお答えいただき、ありがとうございました。つい最近まで、将来のことを考えて悩んで、決めてきたつもりでした。だけど最近、そういう決め方に疑問を抱き始めていました。どういう決め方をしても、私の性格上どこかで後悔はしてしまうと思います。だから、先々のことを心配し決断するのではなく、そのときの感情に素直に決めていくべきなのか。そういう悩みを抱えていたので、大学に行く意義には、どれだけ経験値を積めるか、いろんな生き方をしている人と出会えるかということも含まれているというお言葉が胸に響きました。
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