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リケジョからの質問

理学部の物理学科を考えていますが・・・

ひかるん
質問日:

2013.01.24

はじめまして。私は東京都の私立に通う高校3年生です。
今の時期にこんな質問をするのはおかしいと思いますが、どなたか相談にのってくれたら嬉しいです。

私はこの春、都内の区役所で働きはじめます。
それでも大学卒業の資格はほしいと思い、今は夜間の大学進学を考えています。

正直私は理系に向いていないと思っています。
小さいころから歴史が大好きです。親にもさり気なく文系を進められます。

それでもリケジョの会員雑誌とかを読んでやっぱり理系の道はかっこいいなという憧れで、今も物理と数学を勉強しています。

私の考える理学部の物理学科は理科と数学の先生の資格が取れるという理由でそこを考えています。
そして私は物理の中で光や原子特有の光とかそういうのが好きなんです。
でも、正直こんな曖昧な気持ちで進学をしていいのか、大学生活を諦めてしまうのではないのかとかいろいろ考えてしまいます。

大学の物理学とは何を学ぶものですか。
そこが私にとって一番漠然として具体的に見えないのです。
どなたか大学生活で具体的なエピソードとかあったら嬉しいです。

経緯が長くなりましたがよろしくお願いします。

先輩リケジョからの回答2 回答

少し長くなりますが,思い出話をします.


私はずっと,自分は研究さえしていれば幸せな人間だと自分のことを定義していました.
高校生の頃にはすでに大学院に進学する予定で,将来は研究者になると決めていました.
最初のうちは,何か新しい知見 (発見みたいな意味で,研究者はよく使う言葉です) が得られれば嬉しいという想いで基礎系の研究をしていて,後に応用系の,役に立つ研究を志向するようになりましたが,自分で目的を設定して,それを実現させるというプロセスに魅力を感じていました.

興味のない分野の勉強は大嫌いで,なるべくしなくてすむようにしてきました.


そんな私が,それまでの生き方に疑問を持ったのは,在外研究 (日本の外の機関で研究をするということ) に行ったときのことでした.
自分が幸せだと自信を持って思えなくなってしまったのです.

英語が母国語ではない国に行ったので,周りの人が何を言っているのか全く分からない.書類も何が書いてあるか分からない.
(上司ら研究者は英語ができるので,研究所にいるときは何とかなります)

食事も満足に作れない.というか,食料品店に行っても食品の名前が理解できないのでとりあえずフィーリングで買って家でその正体を検索する...
(パッケージの見た目的に生クリームだと思って買って帰ったら,その国独自の発酵系 ? 飲料だったり)

今なら笑い話として語れるようなことも,当時はとてもつらく感じていたものです.

私は何をしていたら幸せな人間なのだろうかということを真剣に考えました.


結論を言うと,
世界中のどんなところへいってでも研究さえできれば他のものは何もいらない,
というほどにあまりに極端な考えだったものが,ごく普通の生活を志向するようになっただけでして,
ものづくり (が私の好きなことなので) ができて,食べたいものが食べられて,会いたい人に会いにいけて,
というところに落ち着きました.

20代も後半になってからのことでした.


勉強は,独学でもできます.大学でも勉強はできますが,4年間だけです.
大学を卒業した後,何をしたいですか ?
好きなことができるようになるための勉強なら意味があると思います.
お礼日時:

2013.02.03

返事が遅くなり申し訳ないです。私なりに大学を出た後の将来を想像してみましたが、やはり現実感が無いです。笑 でも、先のことを考えていくこと、何が幸せなのかを考えていくこと、このことはとても大切だと思うのでこの考えを忘れずにいたいと思います。

ありがとうございました。

理工学部物理学科に所属しております、ひらと申します。
理工学部・理学部との違いがありますが、答えさせていただきます。


「大学の物理学とは何を学ぶものですか。」

これに対しては一概に何を学ぶとはいえません。
ただ、私の大学で重要視されていく科目は「統計物理学」「物理数学」「力学」「電磁気学」「量子力学」とされています。

私の学んだ印象となってしまいますが、ざっくりというと


「力学」
物体は時間によってどのような運動をするのかを学びます。
高校で習う「エネルギー保存則」「放物運動」「自由落下」等がこれにあたります。
運動方程式(高校で「ma=F」という式を習ったと思います。それです。)から始まり、微分や積分・ベクトルを用いて式変形を行い、エネルギー保存則等を導くこともあります。

例えば、地球から人工衛星を飛ばすにはどのくらいの速度が必要なのか?などを式を用いて学びます。



「物理数学」
名前のままなのですが、物理を学ぶ上で必要な数学を学びます。
微分や積分にも実は様々な種類があります。
高校で習った微分をそのまま使うのももちろんアリですが、それでは1問を解くのに多大な時間を要してしまいます。
また、物理学では度々「近似」をします。
例えば、1/3は0.33333333333…ですよね。計算をするときはもちろんそれでいいかもしれませんが、体重を測るなんてときは小数点以下10桁なんて考えるでしょうか?
そのように考えたとき0.333333333…≒0.33としても怒られない気がしますね。
物理で重視することは「計算」ではなく「現象の理解」です。
ですので、「近似」は物理では重要になってきます。

このようにその計算を楽にするために、また、さらに物理を深く学ぶために物理数学では物理を学ぶ上で必要な数学を学びます。



「電磁気学」
名前の通り、電気と磁気に関して学びます。

高校でも少しは習いますが、電気と磁気に関する密接な関係をここでは学びます。
電磁波というものも学び、ここから信号や電波といったことを学びます。



ざっくりですが、3科目を説明させていただきました。
このように、物理学では物理現象の根本を学ぶと考えています。
ものの在り方…哲学的に聞こえますが、そのような事が学べると思います。


さて、長くなりましたが、ひかるんさんのおっしゃる「光」に関してですが、「原子特有の光」等は物理では応用に分類されるものと考えられます。
物理では「原子特有の光はどのようなものか」ではなく「光はどのように進むのか」の方が強いと思います。
光ファイバー(クリスマスの時とかに光っている糸こんにゃくのような…もの…です(笑))を例にとると
「何故、先端だけ光っているのだろう?」は物理で
「何故、青く光っているのだろう?」は物理とは少しずれた興味の持ち方と思います。
もちろん、なぜ光の色のことも物理では取り扱うのですが…。
それに関しては、ひかるんさんがインターネット等を用いて検索してみてください。
きっと、なにが物理なのか化学なのかわかると思います。



また、先生の資格とのことですが、大変難しいと思われます。
時間が奪われるという意味です。
理工学部物理学科等での教員免許取得は通常授業+αで行われます。
区役所で働くとのことなので、夜間学校に通うとなると二重生活となります。
+教員免許取得となりますと三重生活並になると思います。

ですが、教員免許取得を目指すと大変すばらしい体験をするのも確かです。
是非、プラスに考えてもらって進学等決めて下さることを願います。



お答えになったでしょうか?
些か不安ではありますが、回答とさせていただきます。
お礼日時:

2013.02.03

詳しい話をありがとうございます。この話を読んで、やはり物理は自分にとって知らない世界に連れて行ってくれる学問だと思いました。なので、歴史は自分の趣味として本を読んだりして知識を広め、大学では物理を専門的にやりたいと思いました。

教員のことを示唆してくれてありがとうございます。
確かに、三重生活になって大変だと思いますが、ひらさんが仰るとおり前向きに考えて行こうと思います。

ありがとうございました。

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