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リケジョからの質問

学科について

ラビッツ
質問日:

2010.08.12

物質生命工学科というのは、どういうことをしているのですか?
私のお父さんは、工学部でした。
でも、物質生命工学科というのは、聞いたことがありません。
また、ポスドク研究員というのも知りたいです。

先輩リケジョからの回答3 回答

こんにちは、ラビッツさん。
私は工学部物質生命工学科を卒業して、修士、博士、そして今まさにポスドク研究員としてスウェーデンで働いています。

私が物質生命工学科に在籍していたのは山梨大学(2000年から2004年)です。
同じ物質生命工学科でも、大学によって内容が違うので、私がお話しするのは山梨大学の当時の状況であった事をご理解ください。

ちなみに山梨大学の物質生命工学科は、生命工学科と応用化学科という2つの学科に分かれましたので、「物質生命工学科」という学科は現在ありません。

物質生命工学科では主に「生物学」「化学」の分野について学びました。バイオテクノロジーなどについてです。微生物学や、遺伝子工学、天然有機化学などを学びました。
生物学と化学は切っても切れない関係です。物理学の上に化学がのっているのと同じように、生物学は化学の上にのる学問です。その両方について詳しく学ぶ、というのが物質生命工学だと思います。
たとえば、天然有機化学では、植物(生物)の分泌する毒(化学物質)などについて学びました。微生物の培養や、遺伝子組み換えについても学びます。これらは生物学だ、と思いがちですが、どれも化学物質と強く結びついています。

私が在籍していた頃は、2年生になると、おなじ物質生命工学科でも「化学コース」と「生命コース」に分かれました。生命コースではより生物学に密着した学問を学び、化学コースではより化学物質に密着した学問について学びます。実験も分かれます。
私が進んだのは生命コースなので、生物色が強いですね。

さて、ポスドク研究員についてですが、本当の「ポスドク」は略語です。知っていたかな?
本当の呼び方はPost-doctoral Research Fellow(ポストドクトラル リサーチ フェロー)です。「ポスト」というのはニュースを見ていればよく出てきますよね。多分、小泉総理の時期からだと思いますが、総理大臣が辞めるにあたって「ポスト小泉」とか「ポスト麻生」とか言っていたのを知っていますか?「ポスト小泉」というのは小泉総理の「後」誰が総理になるか、という事。「小泉総理の後(次)」ということです。
ポストドクトラルという事は「ドクター(博士号)を取った後」ということ。まぁ、簡単に言うと博士号を取った人、という事です。ポスドク研究員はつまり、博士号取得直後の研究員、という感じです。博士号(ドクター)を取った人が、研究所などで働く場合、その人の職は「ポスドク」という事になります。企業に就職した場合はあまり使わないかとおもいます。日本の研究機関や、欧米では「ポスドク職」募集、というように求人が出ています。つまり、博士号取得直後の人間を募集している、という事です。

ラビッツさんこんにちは。
農学部の院生のロビンです。

工学部に限らず、学部学科の名前の種類は増える一方ですよね。
毎年どんどん新しい名前ができている気がします。

そもそも、学科の下部組織としてたくさんの研究室があり、
それぞれがいろいろな研究をしているのですが、
同じ学科でも研究室どうしでやっていることが全然違ったり、
違う学科でも似たことをやっている研究室があったりします。
どういう風にグループ分けしたら、学生が勉強しやすいか、学生が入学時に希望していた通りの研究ができるか、というのは大学の悩みの種です。
また、学部の規模は大きい方が運営しやすい、という事務的な縛りもあります。
こうしたらもっといいんじゃないか、ああしたらいいんじゃないか、と試行錯誤している結果が
次々と生まれる新しい学部学科なのだと思います。

そんなわけで、名前で内容を判断するのは難しいので、
一つ一つ教授陣の顔ぶれや研究内容を調べて、自分に合った進路を考えてください。
学科の名前のイメージだけで受験してしまうと、入学後に後悔しますよ。


ポスドク研究員のどのへんのことが知りたいのかわからないので、おおざっぱに書いてみます。
ポスドクというのは、ポスト・ドクトラルフェローの略で日本語訳は博士研究員です。
ドクター(博士)の学位を取った後、任期付の研究員として働いてる人のことをポスドクと呼びます。
大学の先生や会社や研究所の正社員など、普通に行けば定年まで雇ってもらえる様な職に就いている博士学位を持った研究者は、ポスドクとは呼ばれません。
お給料は人それぞれですが、他の職業と比べて多い方ではないと思います。
働いている場所は、国内なら大学や独立行政法人の研究所。海外だと大学や研究所の他に企業でもたくさんのポスドクが働いています。

学位を取得するまでの一般的な道のりは
大学4年、大学院修士課程2年、博士課程3(~6)年なので、
ポスドクになる頃には、28~30歳ですね。

学位取得後、ポスドクにならずにそのまま大学や研究所や会社に就職する人もいます。
ポスドクを続けて、数年おきにあちらこちらへ移動する人もいます。
新卒至上主義・終身雇用制度が一般的な日本では、
ポスドクを続けることに対して悲観的な意見が多いですが
海外ではそうでもないですし、
学位というパスポートを使って色々な国での研究を経験できるわけだから、
ポスドクもそんなに悪いもんじゃないだろう、と私は考えています。

先輩リケジョのポスドク研究員の方の意見も聞けるといいですね。

へちま
回答日:

2010.08.16

ラビッツさん、こんにちは。
私は今年の3月に工学部の博士課程を卒業し、4月からポスドクとして働いています。
ポスドクについてお話ししますね。

ポスドクという立場の説明はロビンさん、sayahakaseさんが書いてくださっているように、
博士号取得者(つまり文字通りドクター)が研究員として任期付きで働くことです。
任期無しの職は一般的にはポスドクとは言わないかな。
分野にも大きく依存すると思いますが、私のいる分野では、博士号取得者のうち研究者の道を選ぶ人の多くは、まずポスドクとして大学や研究所に就職しています。
私は、とある国立大学の研究室に2年の任期で所属しています。
卒業後すぐに、大学の助教(大学の先生)等いわゆる定職に就くことが出来るのは優秀な人に限られます。
ただし大学の助教も、昔は任期無しが多かったですが、最近は任期がついての募集が多くなる傾向にあります。
これは同じ人が一か所に長く居続けるよりも、色んな場所で経験を積んでキャリアを作ることが、その人のためにもその分野全体の活性化のためにも望ましいとの考えからです。

研究者として駆け出しの時期にポスドクを経験するというのは、決して悪いことではないと私は思います。
ポスドクは研究のために雇われるので、基本的に研究に集中することが出来ます。
私の場合は、私のボス(研究室の教授)が参加しているプロジェクト遂行のために、そのプロジェクトの予算から雇われています。
つまり、○○に関する研究をしてくださいという形で雇われているというわけです。
こういった形の場合、自分のしたい研究テーマと必ずしもぴったり一致するとは限りませんが、多少自分が今までやってきたことと違うテーマに挑戦することも、知識や経験が広がって研究者としてはプラスになるのではないかと思っています。
私の場合は、幸い今は学生時代から大きく路線変更することもなくほぼ希望通りのテーマを研究することができ、恵まれていると思っています。

ポスドクの一例として私の場合についてつらつらと書いてみましたが、
ラビッツさんの参考になったでしょうか??

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