リケジョからの質問
大学での研究について

ぴよ介
質問日:
2012.04.15
こんにちは。私は横浜の私立女子校に通う中学二年生です。
大学について私は化学科に進もうと考えてますが、どんな研究があるかわかりません。
ただ、有機化学で物質の結びつきについてやっていきたいのですが、大学ではどんな研究が出来るのか、また化学科に入ってよかったと感じるものを教えてください。
大学について私は化学科に進もうと考えてますが、どんな研究があるかわかりません。
ただ、有機化学で物質の結びつきについてやっていきたいのですが、大学ではどんな研究が出来るのか、また化学科に入ってよかったと感じるものを教えてください。
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先輩リケジョからの回答1 回答
ニコ(製薬会社勤務、東北大学大学院薬学研究科卒)
回答日:
2012.04.22
ぴよ介さん、こんにちは。
中学生で大学の研究について考えているなんて、とっても熱心ですね!
私は理学部化学科卒ではありませんが、薬学部で有機化学の研究をしていたので回答させていただきます。
有機化学に関連する研究は様々な分野があります。
例えば、ある物質をターゲットとして、それを化学薬品から人工的に合成する研究を全合成と言います。
ある木から癌に効く物質が発見されたとします。
しかし、100本の木から1グラムしかその物質をとってこれないとしたら、薬にすることはできません。
ですから、化学薬品を組み合わせてその物質を人工的に合成する研究が行われます。
また、天然から見つかった物質の構造を決める研究もあります。
ある木から発見された癌に効く物質も、どのような化学構造をしているのかわからなければ人工的に合成することは不可能です。
ですから、実験や装置・機械を使ってその物質がどんな化学構造をしているか解析を行います。
新しい有機反応を開発する研究もあります。
私が大学で行っていたのは、この反応開発でした。
癌に効く物質を合成するために、危険な化学薬品を用いなくてはいけないとします。
ではもっと安全に合成するためにはどんな反応があればいいんだろう、と考えて新しい反応を生み出す研究が反応開発です。
なんだか難しい説明になってしまいましたね。
わかりやすく家作りに例えて考えてみると、
全合成...大工さん(実際に家を作る人)
構造解析...建築士さん(家の設計を決める人)
反応開発...道具屋さん(家を作るための道具を開発する人)
となるでしょうか?
この他にも有機化学に関連する研究はたくさんあります。
有機化学と生物、有機化学と物理を組み合わせた研究などもあり、奥が深いです。
それから、化学を学んでいてよかったと感じることですが、色々な学部の人と研究の話ができることです。
化学の知識がベースにあると、違う分野の研究でも理解しやすい気がします。
ぴよ介さんにおすすめの本があります。
喜多喜久さんの「ラブ・ケミストリー」という本です。
話の内容はラブストーリーですが、主人公が大学院で有機化学を学んでいるという設定なので、所々に研究室の描写が出てきます。
大学の研究室の雰囲気がどんな感じなのか知るにはおもしろい本だと思うので、もし興味があったら読んでみてください。
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%A9%E3%83%96%E3%83%BB%E3%82%B1%E3%83%9F%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC-%E5%96%9C%E5%A4%9A-%E5%96%9C%E4%B9%85/dp/4796680012
中学2年生ですので、まだまだ時間がたくさんありますね。
大学のオープンキャンパスに参加するなどして、大学での研究の雰囲気をつかんでみるといいと思います。
中学生で大学の研究について考えているなんて、とっても熱心ですね!
私は理学部化学科卒ではありませんが、薬学部で有機化学の研究をしていたので回答させていただきます。
有機化学に関連する研究は様々な分野があります。
例えば、ある物質をターゲットとして、それを化学薬品から人工的に合成する研究を全合成と言います。
ある木から癌に効く物質が発見されたとします。
しかし、100本の木から1グラムしかその物質をとってこれないとしたら、薬にすることはできません。
ですから、化学薬品を組み合わせてその物質を人工的に合成する研究が行われます。
また、天然から見つかった物質の構造を決める研究もあります。
ある木から発見された癌に効く物質も、どのような化学構造をしているのかわからなければ人工的に合成することは不可能です。
ですから、実験や装置・機械を使ってその物質がどんな化学構造をしているか解析を行います。
新しい有機反応を開発する研究もあります。
私が大学で行っていたのは、この反応開発でした。
癌に効く物質を合成するために、危険な化学薬品を用いなくてはいけないとします。
ではもっと安全に合成するためにはどんな反応があればいいんだろう、と考えて新しい反応を生み出す研究が反応開発です。
なんだか難しい説明になってしまいましたね。
わかりやすく家作りに例えて考えてみると、
全合成...大工さん(実際に家を作る人)
構造解析...建築士さん(家の設計を決める人)
反応開発...道具屋さん(家を作るための道具を開発する人)
となるでしょうか?
この他にも有機化学に関連する研究はたくさんあります。
有機化学と生物、有機化学と物理を組み合わせた研究などもあり、奥が深いです。
それから、化学を学んでいてよかったと感じることですが、色々な学部の人と研究の話ができることです。
化学の知識がベースにあると、違う分野の研究でも理解しやすい気がします。
ぴよ介さんにおすすめの本があります。
喜多喜久さんの「ラブ・ケミストリー」という本です。
話の内容はラブストーリーですが、主人公が大学院で有機化学を学んでいるという設定なので、所々に研究室の描写が出てきます。
大学の研究室の雰囲気がどんな感じなのか知るにはおもしろい本だと思うので、もし興味があったら読んでみてください。
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%A9%E3%83%96%E3%83%BB%E3%82%B1%E3%83%9F%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC-%E5%96%9C%E5%A4%9A-%E5%96%9C%E4%B9%85/dp/4796680012
中学2年生ですので、まだまだ時間がたくさんありますね。
大学のオープンキャンパスに参加するなどして、大学での研究の雰囲気をつかんでみるといいと思います。
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