リケジョからの質問
自然人類学

poncy
質問日:
2012.02.23
私の最大の問は、人間がなぜ生きてるのかです。
だから哲学が好きです。
しかし哲学では答が見つからないんじゃないかと思い、なら考古学を学んでどのように人間が生まれたか学ぶことで、この問に答えられるのではと考えて考古学を学びたいとも考えました。
でも人間の誕生を学ぶなら自然人類学など科学的なアプローチの方がいいんじゃないかと考えて、今は理系志望にしました。
でもまだ他にいい学部があるんじゃないかと悩んでしまいます。
私の問に答えてくれる学部はどこですか?
文がまとまってなくてすいません。
だから哲学が好きです。
しかし哲学では答が見つからないんじゃないかと思い、なら考古学を学んでどのように人間が生まれたか学ぶことで、この問に答えられるのではと考えて考古学を学びたいとも考えました。
でも人間の誕生を学ぶなら自然人類学など科学的なアプローチの方がいいんじゃないかと考えて、今は理系志望にしました。
でもまだ他にいい学部があるんじゃないかと悩んでしまいます。
私の問に答えてくれる学部はどこですか?
文がまとまってなくてすいません。
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先輩リケジョからの回答1 回答
苺(お茶の水女子大学理学部物理学科卒)
回答日:
2012.02.26
こんにちは!
普遍的なテーマですよね。
最初に感じたのが、「答えが欲しい」との事ですが、人の世は「答えが無い事だらけ」で、それを追求し続けているのも人なのだ、と言う事に気づく、絶好の機会を今poncyさんは得ているのだなと言うことです。
哲学だけ、あるいは自然人類学だけ、では、まず答えは出ないのではないかと思います。
たとえば、自然人類学を学ぶことで、「文化人類的な側面も知らなくてはいけない」とか「考古学の切り口からはどう裏付けされているのだろう」などに広がり、点が線になり面になることで、少しだけ、poncyさんの謎が晴れて行くのではないかなと想像します。それでも最終的な回答にたどりつくかは疑問ですが、そのようなアプローチを粛々と続けている先駆者が、どこの領域にもいるのですから、点~面の作り方は、poncyさんが一人で悩む必要はありません。
と言うことで、poncyさんのご質問を「答えを出す」と言うよりも「どの切り口から入るのが効率的か」みたいに私なりに解釈して考えてみました。
「哲学」は、「人間がなぜ生きているのか」の直接的な解を与えると言うよりは「答えがない問いにどう取り組むか」のヒントを与えてくれるような学問に見えます。
「考古学」は、「人の誕生に遡る」と言うよりは、「人(に限らず生物全般)の進化の過程を裏付ける」方に向いているように見えます。
「人類学」は、科学的なアプローチ以外にも社会性・文化・民族などを総合的に扱う学問であるゆえ、点~面を広く扱いやすいように思います。
ですので、入口としては良いのではないかと私は思います。
以下はたまたまネットで引っかかった、京都大学の人類学部の授業内容の紹介の一部です。
このような内容は、poncyさんの疑問に対して多少なりとも解を与え得る印象を受けるでしょうか?
興味をそそられるでしょうか?
もしそうなら、このような学問を軸に置き、必要な都度、哲学でも考古学でも、紐解く事のでも良いのではと思いました。
-- ここから
①
授業の目的と概要:
「自然におけるヒトの位置」を知るために、霊長類と人類の自然生活からその進化史を比較検討する。
講義の中心的テーマは、霊長類学と生態人類学の方法論と視点、とくに霊長類の社会性の基礎となる生態学的要因、社会の進化、人間家族の起源、協力行動、仲裁行動、性の進化、言語の起源、文化の起源、生態学的知性、社会学的知性などについて解説し、最近論議されている説を検討する。
授業計画:
1.日本霊長類学の歴史と視点
2.熱帯雨林と人類進化の舞台裏
3.霊長類の社会進化
4.環境条件と社会の変異
5.暴力の進化
6.霊長類とヒトの生活史
7.インセストの回避と社会構造
8.性の進化
9.霊長類の思考と行動の進化
10.言語の起源と認知的流動性
11.環境認知とメンタルマップ
12.分業と平等主義
②
授業の目的と概要:
霊長類は、単独生活のものと群れ生活のものがいる。
また群れといっても、われわれ日本人にみられるようなペア型のみならず、一夫多妻型、多夫多妻型、そしてまれにではあるが一妻多夫型さえ見られる。
また、群れの継承性に着目すれば、母系のものが多数を占めるものの、父系、双系のものもいる。
こうした彼らの多様な社会構造は、環境との関わりの中で、進化・形成されてきたと考えられる。本講義では主に、社会生態学の立場から、霊長類社会の多様性とその進化について講義する。加えて、大きな群れで生活することが、霊長類の大脳の肥大化を推し進めたという仮説を紹介することをきっかけに、同じく大脳の肥大化と関連する言語や道具使用行動について概説する。
授業計画:
1.はじめに~霊長類の特徴と社会生態学の考え方~
2~4.採食生態~食物選択を中心に~
5.社会構造の類型化
6.群れの大きさを決める生態学的要因1:食物
7.群れの大きさに決める生態学的要因2:捕食圧、最適群れサイズ、群れ雄の数を決める要因
8.群れの社会構造を決める要因としての子殺し圧、セクハラ圧、父親の育児の必要性
9.雌の社会行動を決める生態学的要因
10.雌雄の繁殖戦略~群れの社会構造と関連して~
11.社会的知性と大脳化の社会仮説
12.言語の起源
13.道具使用と文化
14.試験
-- ここまで
余談ですが、個人的には「人間がなぜ生きているのか」と言った場合に、動物とは異なる「知能」とか「心」とか、そのような高度なスキルが人の生活や社会形成にどう作用して来たのか、なんて事にも興味あります。こうなって来ると「人間学」とか「動物学」といったあたりの学問になるようですね。
長文でごめんなさい。
少しでも参考になれば幸いです。
普遍的なテーマですよね。
最初に感じたのが、「答えが欲しい」との事ですが、人の世は「答えが無い事だらけ」で、それを追求し続けているのも人なのだ、と言う事に気づく、絶好の機会を今poncyさんは得ているのだなと言うことです。
哲学だけ、あるいは自然人類学だけ、では、まず答えは出ないのではないかと思います。
たとえば、自然人類学を学ぶことで、「文化人類的な側面も知らなくてはいけない」とか「考古学の切り口からはどう裏付けされているのだろう」などに広がり、点が線になり面になることで、少しだけ、poncyさんの謎が晴れて行くのではないかなと想像します。それでも最終的な回答にたどりつくかは疑問ですが、そのようなアプローチを粛々と続けている先駆者が、どこの領域にもいるのですから、点~面の作り方は、poncyさんが一人で悩む必要はありません。
と言うことで、poncyさんのご質問を「答えを出す」と言うよりも「どの切り口から入るのが効率的か」みたいに私なりに解釈して考えてみました。
「哲学」は、「人間がなぜ生きているのか」の直接的な解を与えると言うよりは「答えがない問いにどう取り組むか」のヒントを与えてくれるような学問に見えます。
「考古学」は、「人の誕生に遡る」と言うよりは、「人(に限らず生物全般)の進化の過程を裏付ける」方に向いているように見えます。
「人類学」は、科学的なアプローチ以外にも社会性・文化・民族などを総合的に扱う学問であるゆえ、点~面を広く扱いやすいように思います。
ですので、入口としては良いのではないかと私は思います。
以下はたまたまネットで引っかかった、京都大学の人類学部の授業内容の紹介の一部です。
このような内容は、poncyさんの疑問に対して多少なりとも解を与え得る印象を受けるでしょうか?
興味をそそられるでしょうか?
もしそうなら、このような学問を軸に置き、必要な都度、哲学でも考古学でも、紐解く事のでも良いのではと思いました。
-- ここから
①
授業の目的と概要:
「自然におけるヒトの位置」を知るために、霊長類と人類の自然生活からその進化史を比較検討する。
講義の中心的テーマは、霊長類学と生態人類学の方法論と視点、とくに霊長類の社会性の基礎となる生態学的要因、社会の進化、人間家族の起源、協力行動、仲裁行動、性の進化、言語の起源、文化の起源、生態学的知性、社会学的知性などについて解説し、最近論議されている説を検討する。
授業計画:
1.日本霊長類学の歴史と視点
2.熱帯雨林と人類進化の舞台裏
3.霊長類の社会進化
4.環境条件と社会の変異
5.暴力の進化
6.霊長類とヒトの生活史
7.インセストの回避と社会構造
8.性の進化
9.霊長類の思考と行動の進化
10.言語の起源と認知的流動性
11.環境認知とメンタルマップ
12.分業と平等主義
②
授業の目的と概要:
霊長類は、単独生活のものと群れ生活のものがいる。
また群れといっても、われわれ日本人にみられるようなペア型のみならず、一夫多妻型、多夫多妻型、そしてまれにではあるが一妻多夫型さえ見られる。
また、群れの継承性に着目すれば、母系のものが多数を占めるものの、父系、双系のものもいる。
こうした彼らの多様な社会構造は、環境との関わりの中で、進化・形成されてきたと考えられる。本講義では主に、社会生態学の立場から、霊長類社会の多様性とその進化について講義する。加えて、大きな群れで生活することが、霊長類の大脳の肥大化を推し進めたという仮説を紹介することをきっかけに、同じく大脳の肥大化と関連する言語や道具使用行動について概説する。
授業計画:
1.はじめに~霊長類の特徴と社会生態学の考え方~
2~4.採食生態~食物選択を中心に~
5.社会構造の類型化
6.群れの大きさを決める生態学的要因1:食物
7.群れの大きさに決める生態学的要因2:捕食圧、最適群れサイズ、群れ雄の数を決める要因
8.群れの社会構造を決める要因としての子殺し圧、セクハラ圧、父親の育児の必要性
9.雌の社会行動を決める生態学的要因
10.雌雄の繁殖戦略~群れの社会構造と関連して~
11.社会的知性と大脳化の社会仮説
12.言語の起源
13.道具使用と文化
14.試験
-- ここまで
余談ですが、個人的には「人間がなぜ生きているのか」と言った場合に、動物とは異なる「知能」とか「心」とか、そのような高度なスキルが人の生活や社会形成にどう作用して来たのか、なんて事にも興味あります。こうなって来ると「人間学」とか「動物学」といったあたりの学問になるようですね。
長文でごめんなさい。
少しでも参考になれば幸いです。
お礼日時:
2012.03.24
回答に気付かなくてお礼が遅くなってすいません
とても親切に答えて頂いて感動してしまいました
本当にありがとうございます
将来長く付き合っていきたいテーマなので学部に捉われず柔軟に取り組んでいきたいなと思いました
とても親切に答えて頂いて感動してしまいました
本当にありがとうございます
将来長く付き合っていきたいテーマなので学部に捉われず柔軟に取り組んでいきたいなと思いました
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