リケジョからの質問
迷っています・・・
Mika☆
質問日:
2012.01.30
こんにちわ。私は神戸の私立に通う中学2年生です。理系志望なのですが、将来自分が何をしたいのか分かりません。vol.14の製薬についても興味があるし、機械を作ることにも興味があります。もっと具体的に、それらの職業について知りたいです。アドバイス、よろしくお願いします。
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先輩リケジョからの回答1 回答
苺(お茶の水女子大学理学部物理学科卒)
回答日:
2012.02.06
こんにちは!
「機械を作る」に相当するかどうかわかりませんが、私の勤めていた会社は、コピーやプリンターを作っていました。
なので一応「機械」と言う事にさせてもらって、少し説明しますね。
コピーやプリンターの開発は、大きく言うと、
・ 筐体や用紙の搬送経路、電気系統、操作パネル、トナー(インク)、などを作るハード開発と、
・ 紙の上にどのように画像や色を配置するかとか、操作パネルに何をどう表示するか、などをつかさどるソフト開発と、
・ そのソフトとハードを繋げるファーム開発
から成ります。
また、開発プロセスとしては、
・ アーキテクチャ設計→システム設計→基本設計→詳細設計→プログラミング→評価
と流れますが、これらはシーケンシャルに進むわけではなくて、行きつ戻りつしたりします。
また、そもそも、何が要求されているのかの市場分析とか各種法律(環境面、セキュリティ面、非健常者の方への操作性確保…)をクリアすることとか特許活動なども、開発の上流工程で押さえる必要があります。
ハードとソフトとでは、開発に要する時間は大きく異なります。
たとえば新規の筐体を作るとなった場合「2年」以上のスパンですが、ソフトに関しては「数か月~半年」の単位でまわさないと、競争に勝てません。
このため通常、ソフトとハードの開発は別に動きます。ソフトの開発の総勢はそれでも、数百人規模です。
ですので、開発プロジェクトを進めるためのプロジェクトマネジメントの部隊も、もちろん、あります。
私自身は、ソフトの開発者を経て、プロジェクトマネージャーを経験しました。
ソフトであれハードであれ、「品質」は機械にとって(メーカーにとって)、キモになります。
単に「バグ」と言われる動作上の不具合が無きことは当然として、性能(印刷のスピード)や色味(肌色がきれいな事、のような)や操作性(誤操作のない直感的な操作ができやすこと)のような、定性的なところが他社との競争になります。
私の会社では、アクセシビリティー(操作性)を専門とする総合デザイン部門が、開発とは別にありました。
性能にしても色味にしても社内に規格値があり、それをクリアしないと、最終的な製品化の承認が降りません。
一口に規格値と言っても、かけられるコスト(価格)により力のいれどころはモデルそれぞれで、「細い線がきれいなこと」「ベタ塗りにムラがないこと」などいろいろなパターンがあり、このへんが、ハードに関しては、技術者の腕の見せ所なのかなと思います。
ソフトに関しては、ソフトそのものの動作スピードは重要なのですが、開発そのもののスピードが速いことが非常に重要で、設計者同志が的確に意思疎通を図ってコミュニケーションエラー無きこと、設計ポリシーが合っている事で安定したソフトを供給すること、そもそも、センスの良い設計が皆でできること、などで、技術者(チーム)の質が問われるところになります。
実際にプログラムを書く工程などは、全体から見たら、そう多いわけではありません。
ざくっとした内容ですが、だいたいこんなような事を、大勢で、わらわらと日々まわしていました。
大変ですが、それはそれは充実した日々でもありました。
多くの人とモノを作り上げるのも、それはそれは感動的です。
少しでも参考になれば、幸いです。
「機械を作る」に相当するかどうかわかりませんが、私の勤めていた会社は、コピーやプリンターを作っていました。
なので一応「機械」と言う事にさせてもらって、少し説明しますね。
コピーやプリンターの開発は、大きく言うと、
・ 筐体や用紙の搬送経路、電気系統、操作パネル、トナー(インク)、などを作るハード開発と、
・ 紙の上にどのように画像や色を配置するかとか、操作パネルに何をどう表示するか、などをつかさどるソフト開発と、
・ そのソフトとハードを繋げるファーム開発
から成ります。
また、開発プロセスとしては、
・ アーキテクチャ設計→システム設計→基本設計→詳細設計→プログラミング→評価
と流れますが、これらはシーケンシャルに進むわけではなくて、行きつ戻りつしたりします。
また、そもそも、何が要求されているのかの市場分析とか各種法律(環境面、セキュリティ面、非健常者の方への操作性確保…)をクリアすることとか特許活動なども、開発の上流工程で押さえる必要があります。
ハードとソフトとでは、開発に要する時間は大きく異なります。
たとえば新規の筐体を作るとなった場合「2年」以上のスパンですが、ソフトに関しては「数か月~半年」の単位でまわさないと、競争に勝てません。
このため通常、ソフトとハードの開発は別に動きます。ソフトの開発の総勢はそれでも、数百人規模です。
ですので、開発プロジェクトを進めるためのプロジェクトマネジメントの部隊も、もちろん、あります。
私自身は、ソフトの開発者を経て、プロジェクトマネージャーを経験しました。
ソフトであれハードであれ、「品質」は機械にとって(メーカーにとって)、キモになります。
単に「バグ」と言われる動作上の不具合が無きことは当然として、性能(印刷のスピード)や色味(肌色がきれいな事、のような)や操作性(誤操作のない直感的な操作ができやすこと)のような、定性的なところが他社との競争になります。
私の会社では、アクセシビリティー(操作性)を専門とする総合デザイン部門が、開発とは別にありました。
性能にしても色味にしても社内に規格値があり、それをクリアしないと、最終的な製品化の承認が降りません。
一口に規格値と言っても、かけられるコスト(価格)により力のいれどころはモデルそれぞれで、「細い線がきれいなこと」「ベタ塗りにムラがないこと」などいろいろなパターンがあり、このへんが、ハードに関しては、技術者の腕の見せ所なのかなと思います。
ソフトに関しては、ソフトそのものの動作スピードは重要なのですが、開発そのもののスピードが速いことが非常に重要で、設計者同志が的確に意思疎通を図ってコミュニケーションエラー無きこと、設計ポリシーが合っている事で安定したソフトを供給すること、そもそも、センスの良い設計が皆でできること、などで、技術者(チーム)の質が問われるところになります。
実際にプログラムを書く工程などは、全体から見たら、そう多いわけではありません。
ざくっとした内容ですが、だいたいこんなような事を、大勢で、わらわらと日々まわしていました。
大変ですが、それはそれは充実した日々でもありました。
多くの人とモノを作り上げるのも、それはそれは感動的です。
少しでも参考になれば、幸いです。
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