アプリは生き物。のんびりしてはいられません!

「アメブロ」を始め、最新の芸能人ニュースやエンタメ情報が楽しめる『Ameba』 のiOSアプリを開発しています。毎月リリースする新バージョンアプリの実装作業や、次にどんな内容にするかを考えています。iPhoneは日々進化しているので、新機種をサポートできるよう準備もしています。アメブロでもいろいろな新機能を開発しているので、アプリにも組み込んでいます。最近は興味のあるブログに出会いやすくなる「公式ジャンル機能」をリリースし、改善を続けています。また、アプリが原因の不具合や「ここが使いにくい」というユーザーの声にも迅速に対応しています。

Appleは情報管理が徹底しており、次に発表されるiPhoneやiOSの仕様などの重要な情報は、ビジネスで関わっている我々でもオフィシャルの発表まで知ることができません。そのため、自社内だけではなく他社のエンジニアとも密に情報交換しながら開発を進めています。アプリは生き物なので、のんびり構えているとたちまちユーザーの不満につながるため、スピードも求められます。

勉強も仕事も「面白そうだから」で突き進んだ

高校生のときパソコンクラブを立ち上げ、いろいろなソフトを使ったり、簡単なプログラミングを経験しました。大学では好きだった物理学科に進み、研究室は「面白そうだな」と感じた宇宙物理理論を専攻。修士論文のテーマはブラックホールを観測するときに使う理論についてです。大学3年のとき、飛び級して大学院に進学しました。現在は早期卒業制度がありますが、当時は飛び級の制度が整っておらず、学部中退という形になりました。大学院で修士がとれなければ、最終学歴が高卒になってしまうというプレッシャーもありましたが、挑戦してよかったと感じています。

アカデミックな道への興味もありましたが、手を動かしてモノをつくるのが好きだったので、就職することに。新卒でテレビチューナーをつくっている会社にエンジニアとして入社し、3年前に縁あって転職しました。いろいろなコードを読んでプログラムを学んだり、Macアプリのエンジニアとしての経験もあったので、新たな仕事もスムーズに対応できたと思います。私は、複雑なことやウェブブラウザにはできないことがアプリでできると思っています。例えば、アプリはスマートフォンで動いているので位置情報を得られたり、なめらかなアニメーションも得意です。ユーザーのいまの状況に応じていろいろなことができるのもスマホアプリの魅力だと感じています。

振り返ってみると、勉強も仕事も「面白そうだから」という行動原理で進んできました。みなさんも苦手な科目があるからといって理系をあきらめず、好きなことを目指してください。

【リケジョブ・オフショット】

お休みの日に料理をつくるのが趣味で、最近、時間をかけたのはブルーベリータルトです。毎年、大学時代の友人たちと神奈川県相模川の花火大会に行き、帰りの混雑を避けるため宿泊します。その周辺はブルーベリー農園が多いので、翌日摘んできたものをタルトにしました。

(『Rikejo』2018年1月号より。一部情報は取材時のものです)