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地球から離れて孤独な旅を続ける、宇宙探査機「ボイジャー1号」。
木星と土星を調べる当初の役割を終え、新たな夢を託されています。
新たなミッションは、地球以外に住む知的生命体に“手紙”を届けること。
“地球の音”が刻まれた「ゴールデンレコード」を運んでいます。
金色の円盤を見つけた“宇宙人”は、何を思うのでしょうか。
 

 地球の音を聴け

前回のブログ「地球から最も遠い人工物体「ボイジャー1号」」の続きです。積まれたレコードのタイトルは「The Sound of Earth」。まさしく“地球の音”が刻まれています。収められているのは、数学の概念や生命の設計図であるDNAの構造、太陽系の惑星、宇宙飛行士などの写真やイラスト115枚。そのほか波や風、雷などの自然現象の音、動物の鳴き声、ロックやクラシックなどの多彩な音楽、55種類の言語のあいさつなどさまざまです。
 
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 到着したころ人類は・・・

レコードには、当時のアメリカ大統領による、こんなメッセージも添えられています。
 

This is a present from a small, distant world, a token of our sounds,

our science, our images, our music, our thoughts and our feelings.

We are attempting to survive our time so we may live into yours.

 

これは小さな、遠い世界からのプレゼントで、

われわれの音、科学、画像、音楽、考え、感じ方を表したものです。

私たちの死後も、本記録だけは生き延び、皆さんの元に届くことで、

皆さんの想像の中に再び私たちがよみがえることができれば幸いです。

 
「私たちの死後も・・・」という言葉が気になりますね。一体このレコード、いつごろ宇宙人に見つけてもらえるのでしょうか?太陽系に最も近い恒星でも、地球からの距離は4.2光年。ボイジャー1号がたどり着くのは、数万年先になりそうです。この調子だと、いつになるか分かりませんね。宇宙人に見つけてもらえるその日まで、人類は地球で生き延びることができるのでしょうか?
 

 Melancholy Blues

最後に、レコードに収められている音楽を1曲だけ紹介します。ルイ・アームストロングの「Melancholy Blues」
 
http://www.youtube.com/watch?v=UJJBJzprWaU
 
こんなに優雅なトランペットの音が刻まれたレコードが、宇宙の彼方を旅していると思うと、なんだかワクワクしますね。いつか音楽が、言葉の壁だけでなく、惑星の壁をも超える日は来るのでしょうか? 現代を生きる私たちが、“手紙”の返事を受け取ることは難しそうですが、気長に待ちましょうか。(福田大展)

<画像はいずれもNASAより>

 
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