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「科学コミュニケーターは文理の枠を超えた幅広い好奇心が必要」日本科学未来館

先端の科学技術を、多彩な展示でわかりやすく知ることができる日本科学未来館では、細分化が進んだサイエンスを、誰もが理解し楽しめるものとして説明してくれるのが科学コミュニケーター。実際にフロアに出てその仕事を担当している蓮沼さんと、科学ネットワークを担当する山口さんに、科学と触れ合いながら働く喜びや魅力について聞いた。

科学を一緒に考える仕事

―― 日本科学未来館という施設と、科学コミュニケーターというお仕事について教えていただけますか?

蓮沼「日本科学未来館は、一般のお客様に向けて先端の科学技術を紹介している施設です。私たち科学コミュニケーターは、展示解説をはじめ先端科学をわかりやすく解説したり、科学について語り合ったり、館内でのさまざまな実演やイベントを企画・実施するほか、学校など外部へ出向いての出張講義など、科学と社会をつなげる活動を行っています。みなさんが先端科学に興味を持ってもらうにはどうしたらいいのか、どう接したらいいのかを常に考える仕事となります。また、コミュニケーションを行うための研修にも携わっており、研究者や学校の先生が科学を教えるためにどのようなコミュニケーションをとったらいいのか、研究の成果をどうやって一般の方や学生さんたちに伝えるのかを一緒になって考えています。」

―― 科学コミュニケーターさんは何人ぐらいいらっしゃいますか?

山口「現在は40名ほどですね。その半数は女性で、年代は20〜30代が中心です。2010年度の科学コミュニケーターの採用では、理系の枠をはずし募集を行ったのですが、結果としてはやはり理系のバックグラウンドを持った方の採用率が高いですね。」

有期雇用でも、サポートは手厚い

―― 例年の採用人数はどれぐらいになるのでしょう?

山口「毎年5〜10名程度となります。全部で40名にしては多く感じられると思いますが、科学コミュニケーターは5年間の有期雇用となっており、そのため毎年一定の人数を新規採用しています。科学コミュニケーターとして働く5年間というのは、その後外部の機関等で科学コミュニケーションを行っていただくための育成期間でもあります。」

―― 有期雇用となると、その後の進路に不安を感じる方もいると思うのですが…。

山口「もちろんこちらとしても、各自の適性や本人の希望も考慮した上で、5年後を見据えて研修を行ったり、多方面からいただいた採用情報を提供したり、任期後に対する支援を行っています。また、2011年で日本科学未来館も10周年を迎えることとなり、研究機関などで活躍する科学コミュニケーターのOBやOGの数も増えています。ネットワークも拡大してきており、進路についても支援の拡充を図っています。」

あの毛利館長が女子社員を守る!

―― 科学コミュニケーターさんの半分以上が女性ということですが、結婚や出産などのための制度についてお教えください。

山口「育児休業や短時間勤務といった制度をカバーしています。科学コミュニケーターは年齢的にどうしても結婚・出産といったライフイベントと重なることが多くなりますが、年に2〜3人は産休・育休をとる者がいて、産休・育休後に復帰するケースも一般的になっています。それだけに誰もが安心して制度を活用できる雰囲気もできていると思います。また、館長の毛利がこうしたことに大変理解があるということも大きいですね。」

専門性に特化するより、幅広い好奇心を

―― 科学コミュニケーターとして採用したい方はどういったタイプになるでしょうか。

山口「日本科学未来館では科学全般を扱うだけに、自分の専門分野だけに固執してしまうとなじめないところがあるかもしれません。科学と一口に言ってもさまざまな分野がありますし、日本科学未来館ではそれら全体をカバーしており、それぞれの分野の方々と一緒に仕事をしています。理系全般、また理系以外の分野も含めた幅広い好奇心、興味を持った方を採用したいと考えています。また、日本科学未来館では海外展開も視野に入れていますので、積極的に活動の幅を広げ、日本科学未来館とともに成長してもらいたいと思っています。」

全力投球が道を切り開く

―― 理系進学を考えている女性へのメッセージやアドバイスをお願いします。

山口「女性の理系進学は将来が不安という声もあるようですが、現実にはそこは問題ではないと思います。むしろ自分が興味のある道へ進むことが大切だと思います。私は文系学部出身ですが、理系や美術系にも興味があり、それぞれにずっと関心を抱き続けていました。学問としての理系のバックグラウンドはありませんが、日本科学未来館で働いてみて、自分が興味を持ち続けてきた道に進むことができた幸せとおもしろさを実感しています。進路に迷ったら、自分が興味・関心のあることを大事にしてほしいと思います。」

蓮沼「私も、興味を持ったことはとことん一生懸命やることが大切と考えています。一生懸命にやってその結果が仮にうまくいかなかったとしても、頑張ったという過程には絶対意味があります。別の道に進むことになっても、一度頑張れた人ならどこでも新たな道は開けるはずです。だからまずは興味のあることに全力で取り組んでみることが大事ですね。」

日本科学未来館のWebサイトはこちら
http://www.miraikan.jst.go.jp/

取材・Rikejo編集部
文・田中元
撮影・講談社 写真部

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