科学の甲子園1
 

◎『科学の甲子園』って何?

全国の高校1・2年生が6~8名でチームを組み、筆記試験、実技試験(1)、(2)、(3)の計4つの課題に取り組み、その総合得点を競う国内屈指の学生による科学競技会。優勝チームは、なんとアメリカ・ネブラスカで開催される「サイエンス・オリンピアド」へ派遣されます!
icon-caret-right 「科学の甲子園」ウェブサイト:http://rikai.jst.go.jp/koushien/

 
 

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47都道府県で唯一の女子校代表チームが登場!

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過去最高となる7,650名がエントリーした第4回大会。厳しい予選会を勝ち抜いた各都道府県の代表47校・370名が集結するなか、紅一点となる女子校の群馬県立前橋女子高校が出場!
 
普段は、別々のクラブに所属している科学好き6人のチーム。県内予選会ではなんと男子校3校に競り勝つ快進撃! 昨年に引き続き2度目の挑戦で、初の全国大会出場を果たしました。
 
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大会最終日、会場には、47校を応援する旗がずらり! 前橋女子校の旗には「リケジョの星!」の文字も。旗に添えられた花飾りは前日の戦績。2つ付いています。
 
 
さて、最終日・最終試験は、ロープウェイのタイムレース「登れ!筑波山」!!
各チームから4人が選出され、60分の持ち時間のなか、与えられた道具を使って充電カーとロープウェイを製作。その後、充電カーへの充電作業&約6mのロープウェイがゴールするまでの時間を競います。
 
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化学系クラブに所属する小林さん、堺掘(さかいぼり)さん、茶道部の宮崎さん、百人一首部の中川さんの4人が「スタート!」の合図とともに、作業を開始!!
 
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このレースのカギを握るのが「電気二重層コンデンサ」電池に替わる電源や回生エネルギーの保存素子として注目されている蓄電器です。
 
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堺掘さんと小林さんは、充電カーを作っていきます。水の重さで斜面を下らせ、回生ブレーキによってコンデンサに蓄電する仕組みです。
 
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宮崎さんと中川さんは、ロープウェイ作り。軽さやバランスを考えながら、車輪の位置なども細かく調整します。
 
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プロジェクターに映し出されたカウントダウンを気にしながら、細かい作業を続けていきます。
 
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応援席では、リーダーの青山さん、田中さん、1年生の冨永さん、外處(とどころ)さん、担当教諭の武先生が見守ります。「声をかけられないのがもどかしいです」と武先生。
 
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60分の製作時間はあっという間に終了。充電カーとロープウェイは無事完成!
それぞれのアイデアが詰まった各校マシンが出そろい、いよいよレースです!!!
 
 
 

タイムレース、スタート!

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コースについたら、まずは充電カーを下らせる坂の傾斜を調整して…
 
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ロープウェイをスタンバイさせて…
合図を待ちます。
 
 
「3秒前、2、1、スタート!!!」
 
 
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何度も坂道を行き来させ、コンデンサにエネルギーを溜めます!
「もういいかな?」「いや、あと1往復…!!」
 
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蓄電完了! コンデンサをロープウェイへ!!
「急いで、急いで」
 
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小さなコンデンサを取り付ける細かい作業に、気持ちが焦ります!!
 
そして、ロープウェイが走り出しました!!!
「がんばれーーーーーっ!!」「登れ!登れ!」
 
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「あれ?」「?!?!」
 
なんと、ロープウェイが途中で止まってしまった…!!!
 
「なんとか登ってーーーー!」「がんばってーー」
 
チームメイトが見守る中、その後の調整も叶わず、3分間の競技時間が終了してしまい、前橋女子高校の最後の戦いが終わりました。
 
前橋女子高校チームの力作マシンはこちら。ロープを滑らずに登れるよう車輪に傷をつけて摩擦を生む工夫などが施してあります。
 
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敗因は「蓄電が足りなかったこと。もっとロープウェイの形自体を試行錯誤して、軽くする努力をすればよかったかも…」とレース結果に悔やみます。
 
しかし! 改めて大会を振り返ってみれば
「ひとつのことに長期間みんなで取り組めたのが楽しかった」と宮崎さん。
「他校のマシンがスゴくてびっくり!」と堺掘さんは、刺激を受けた様子。
「結果は残念だったけれど、いろんな経験ができました」と小林さんも嬉しそうです。
「いつも女子ばかりなのに、男子がいっぱいで新鮮でした。緊張もしました(笑)」と、笑顔がこぼれます。
唯一2年連続参加した中川さんは「来年も予選を突破して、全国大会上位入賞目指して頑張ってほしいです」と後輩へエール! 夢は託されました!!
 
☆次回「イベントリポート 第2弾」では、『第4回 科学の甲子園 全国大会』の結果報告&活躍したリケジョたちをご紹介しますのでお楽しみに!